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死ぬまで働かないといけない 

「死ぬまで働かないといけない」という誤解。
ほんとうの日本経済』の本から数々の統計データや多くの当事者の方々からのヒアリングを通して見えてきた定年後の「15の事実」
これに照らして、世の中に存在している定年後の仕事に関する誤解を解いていこう。 

2025年1月28日付けの現代ビジネスの記事(意見)

 面白い記事だったので、「15の事実」の表を見て考察してみる。
私の脳の活性化術だ。内容はあくまでも私見となる。

定年後の「15の事実」
1.年収は300万円以下  
 年金(基礎年金+厚生年金)に限って言えばその通り、でも企業年金があると300万円を越えることもある。年金も税金で相当持って行かれるので、その点は注意が必要だ。 表は2024年度

来もらえる年金

2.生活費は月30万円弱まで低下する  
 私は持ち家で、ローンも終わっている。急な出費がなければ夫婦で、月20万から25万で生活出来る。「している」と言った方がいい。

3.稼ぐべき賃金は月60万円から10万円でよくなる
 年金(基礎年金+厚生年金)がもらえていれば、不足分だけ稼げばいい。あと2.項目と絡むけど賃貸だと家賃が15万円(東京で)程度かかるから、その分は稼ぐしかない。持ち家派なら家のメンテ費用が必要となる。固定資産税はもはや土地代だけなので、多摩のど田舎ならたいしたことはない。

 一方、賃貸は死ぬまで家賃がいる。更新費もいる。忘れがちだけど、家の選択は歳取ってから生き方も考慮したい。

4.減少する退職金、増加する早期退職
 退職金を考えると、早期退職でも勤続20年は欲しい。45才位。私は44才で早期退職をした。

5.純貯金の中央値は1500万円
 このネット時代、証券や不動産が多く銀行貯金が少ない爺さんはリスクが高そうだ。ネットや国を信頼できないのなら、やはりを持つしかない。

 「DIE WITH ZERO」 「死ぬまでに資産を使い切れ!」と、老人にお金を全部吐き出させたい人達が宣伝しているアメリカの本がある。

 このアメリカ人の思想が素晴らしいのならアメリカが素晴らしくなっているはずだが、不思議なものだ。
日本の歴史から見て、また日本人の特性として、老後の為だけの資産ではないと思う。最近、日本の歴史感が著しく欠落している人が多いと感じる。戦後90年、戦後の教育がジワジワと悪い方向に効いている。教育は100年の計。その通りになっている。

 今の日本の繁栄は先祖達の努力と資産(税金、予算)、リソース(インフラ)で成り立って、それを贅沢に使っている現代。しかし流石に枯渇してきた。

 物事は順繰りだ。老人達は資産(金・知・もの)を子孫に残す。そして誰もが歳をとる。それを子孫が面倒をみる。物資のない日本、人が資産なのに少子化だ。皆どうするのだろう。国はこの課題を抜本的に解決する気はない。

 何故ならこんな事は、2000年までの人口分布を見ていれば自明だったはず。それでも個人主義の教育ばかりしていた。それ故に「子ども作れば、金をくばるから、お得だよ」という政策しかできない。

 見てわかるように団塊ジュニアが子どもを作ってないグラフなっている。そこから崩壊が始まっている。つまり、2025年問題より団塊ジュニア世代が高齢者の時代、2050年が一番酷くなる。
 
 私の子ども達がその煽りを被るようだ。今後の選挙も含めて、この事実を子供達には教えておかないといけない。ネットもAIの動作から画一効果が高すぎて、多角的視点が取れない。自分で答えを考える時代になっている。

1950年 2000年 2050年
団塊世代の推移

純貯蓄額とは、「【貯蓄】から【負債】を差し引いた【正味の金融資産】」

6.70才男性の就業率45.7 % 働くことは「当たり前」
 この辺りは、この意見にとって都合のいい数字なので記載してある。でも世の中賃金の無い仕事が沢山ある。例えば育児、家事などをアウトソーシングさせることで起業する人達も多い。つまり無償だった仕事をお金にする。

 70~74歳では、男性の就業者の割合は42.6%、女性の就業者の割合は26.4% 

(令和6年 内閣省)

7.高齢化する企業、60代管理職はごく少数
 これは感想なのか、なぜ数値記載がないのだろう。意味的に高齢者(70代以上)の管理職が多いと取れる。

厚生労働省の調査によると、管理職の平均年齢は男性が48.7歳、女性が49歳となっている。

厚生労働省

8.多数派を占める非正規とフリーランス 
 ここも数値がない。都合の悪い時は数値をあげないパターン? それと多数派ってなにを指すのだろう。老人が正社員の訳ないだろう。

総務省の「労働力調査」によると、役員を除く雇用者のうち正規雇用者の割合は63.0%、非正規雇用者の割合は37.0%となっており、約4割が非正規雇用者ということになる。

総務省

9.厳しい50代の転職市場、転職しても賃金は減少
 転職リクルート情報を利用しましょう。ここで広告が入る。

10.デスクワークから現場仕事へ
 ストレスの多い机仕事より、いいと思う。

11.60代から能力の低下を認識する
 60才過ぎると体の劣化が加速する。でもその分経験があるはずだ。

12.負荷が下がり、ストレスから開放される。
 これは一般的な会社での仕事の話、リタイヤして家事を仕事としても、そこにストレスはある。開放は言い過ぎ。

13.50代で就労観は一変する
 普通、転職して違う職種に移れば、どの世代でも就労観は一変するだろう。私は44才で早期退社して起業をしたとき、世界が変わった。ちなみに早期退社は会社都合だった。

14.6割が仕事に満足、幸せな定年後の生活
 4割が仕事に不満足、幸せではない定年後の生活とも言える

15.経済とは「小さな仕事の積み重ね」である
勉強は「小さな勉強の積み重ね」
スポーツは「小さな練習の積み重ね」
幸せは「小さな幸せの積み重ね」

仕事を経済活動だけとしないのなら
「人は死ぬまで小さな仕事を積み重ねる」
動物は動けなくなるまでエサをとり続ける。それと同じだ。

追記; 老化により前頭葉が縮小する。怒る年寄り(爺さん)になるから、気をつけたい。

青空のした、会津の山間の中学校、雪の中に立つ野口英世先生の像。感動的だった。


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