グランマ・ゲイトウッドのロングトレイル
1955年、アメリカの3大ロングトレイルのひとつ、アパラチアン・トレイル(約3500km)を女性としてはじめてスルーハイクした67歳のおばあちゃんの記録。
スルーハイクとは一気に歩き通す事。
エマ・ゲイトウッド、67歳、ハイキング経験なし。
DV夫と11人の子供と23人の孫をもつ彼女は、テントも寝袋も持たず、毛布一枚にくるまりながら、トレイルを1日20km歩き続けた。
その後2回、計回もアパラチアン・トレイルを歩いている。その凄さ。
この本の日本翻訳版は2021年に発刊された。
原著「GRANDMA GATEWOOD'S WALK」は2014年の「National Outdoor Book Award」を受賞している。
2022年2月に購入していたが、結局、5月の連休後、漸く読み終えた。
何故読みすすまなかったか、それは当初読んでいて、その情景をイメージ出来なかったのだ。アパラチアン・トレイル(AT)は一体どんな感じなのだ??このまま読んでも文字だけの知識になってしまう。
できればATの映像が欲しい。
ありました。
映画「ロング・トレイル」 ロバートレッドフォード主演 配信がないので、中古DVDを購入。
まず基本的な事項。アパラチアン・トレイル(AT)は北米の東側の都市をなぞるアメリカ3大トレイル(距離:3,488km)の一つだ。
アメリカの3大トレイル
1.アパラチアン・トレイル
2.パシフィック・クレスト・トレイル
3.コンチネンタル・ディバイド・トレイル
以下抜粋
アパラチアトレイル(AT)
ロケーション:アパラチア山脈に位置するATは、ジョージア州のスプリンガー山からメイン州のカタディン山まで続いています。
距離:約2,180マイル。(世界で最も長く継続的にマークされたフットパスです)
最高地点:ATの最高地点は6,643フィートです。(クリングマンズ・ドーム)
平均所要時間: 5~7ヶ月
地図も必要だ。
漸くイメージ出来た。
読み終わった。
面白かったが、もう少しこのおばちゃんは、ATで自然観察をしていると思う。そして自然が好きで歩いているはず。
その辺りの描写が少ない。作者の自然感が足りないので想像できなかったのか、内面的な話が多い内容だった。
ロングトレイルで内省する話は多いし、自分探しでロングトレイルを歩く人も多い、また記録だけのために歩く人もいる。
それだけの理由で、ロングトレイルを年寄りが何度も歩くとは思えない。
ものの見え方は、移動手段により、さらに自然が見える目を持っている人とは全然違うはずだ。
同じ景色でも、この作者とは全く違う景色をエマばあさんは見ていたのかもしれない。
ちなみに眼鏡が壊れたとか、曇って全然見えないとかのアクシデントがあったけど、見えていたはずだ。
自分もそうだけど、毎日毎日武蔵野の森を散歩していると、植物、昆虫、動物、地形が段々と見えてくる。自然を見る目が鍛えられる。ようするにトレーニングだ。ちなみにそうならない人もいる。そこは適正の差。
体力あれば、初めてでもトレイルは歩ける。マラソンじゃないのだから完歩にそれほど意味はないと思う。
エマばあさんは生活の中で、自然と対峙し働ていた。だからATの素晴らしさが見えるのだろう。
ロングトレイルは普段の散歩の延長にある。
「そうしたかったから」=それが散歩の基本だった。