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鉄塔武蔵野線
私の原風景
「中央線よ空を飛んであの娘の胸に突き刺され」
これはフォーク歌手友部正人さんの「一本道」の歌詞のさびの部分だ。
高校生の頃、この歌は私の胸に突き刺さった。
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JR中央線の車窓から外を見ていると、三鷹駅を過ぎた辺りから広がる武蔵野の郊外。鉄塔が目に入ってくる。首都圏への送電路だ。
私が住んでいる三鷹・調布の風景は低層住宅と多くの緑地(畑、雑木林)とそこにそびえる鉄塔、それと空を駆けるレシプロ飛行機(調布飛行場から)だ。これが「原風景」となっている。
そんな原風景が小説となり映画になったのが、この「鉄塔武蔵野線」
1997年作。
原作は「銀林みのる」のファンタジー小説。
夏休みが終わると、父の転勤で引越しを余儀なくされた小学校6年生、そのやり切れない気持ちを胸に子分の4年生を連れて、地元の「鉄塔武蔵野線」を、その元となる発電所まで、鉄塔番号を目印として自転車で辿っていく冒険の話。
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これは中富線、川越から千歳烏山(世田谷)の変電所を結ぶ。
実際問題として、1997年当時の小学生はこんな冒険をやっていたのだろうか、そろそろファミコンが普及している時代だ。後はお受験が盛んになっている。小学生が外遊びをしなくなっていく。
私くらい年齢だと、小学生5年の頃は自由時間が多い。自転車を買ってもらうと暇なので行動範囲が大きく広がる。
川沿いの道を辿るとか、山を越えてみるとか、そんな冒険を男子は試みる。
そこには何時の日か忘れてしまったわくわく感があった。
そんな自分を思い出させてくれる映画だ。
だけどこのメタバースの世の中、そんなノスタルジックな気分になるのは爺さんだけだろう。
ちなみに、私の胸には中央線はまだつき刺さったままだ。
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