「ペダリング・ハイ」 蘇る東京の練習コース
「ペダリング・ハイ」高千穂遙さんの小説、2017年に単行本が出ていたが、全く気づいていなかった。
ちょっとしたことで深大寺クリテリウムをネット検索していたら「ペダリング・ハイ」が出てきたのだ。で、早速、文庫で読んでみた。
高千穂さんは地元の深大寺に住んでいる。私より5歳上だから今70歳だ。ロードバイクを50歳から初めたので、既に20年間走り続けている。
これ以外でも自転車関係の書籍は、2006年の「じてんしゃ日記」から色々と出版している。
ロードバイク愛が凄い。私は殆ど読んでいる。ファンでもある。
21世紀初等、アームストロングがツールドフランスで無敵だった時代。この頃から日本では怒濤のロードバイクブームが始まった。
その後、ファッションでロードバイクに乗る人は増えていたが、今現状を見る限り、底辺は広がっていなかった。
未だ乗っているのは当時から乗り続けている年配のおっさんとおばさんが主流。(主観)
たまにインスタのためか若い女子はいるが、当時ほど若い女性は乗っていない。
私は、1985年からロードバイクに乗っており、ロードレース、トライアスロンと今まで競技を続けている。だからその趨勢は肌で感じている。
さて、「ペダリング・ハイ」、この物語は名古屋から出てきた大学生が主役である。
国立市にある某橋大学へ進学、調布に住むことになる。
そこでひょんな事から地元のロートルライダー達に捕まり、感化されロードバイクに乗り始める。そしてその魅力にどんどんと取り憑かれていく。
ライバルもでき、ついに実業団レースに出場する。そんなスポーツ小説だ。
そして、小説の中の練習場、これが実際にある市街地コースで、自分の練習場所と被る。
だから私にとって臨場感が半端ない小説となっていた。
まず地元の深大寺クリテリウムコース、神中坂、天文台通り周回、調布飛行場。
ちょっと足を伸ばし、連光寺周回や小山田周回コース、日大三高の坂、病院坂、全て頭というか、身体が覚えているコースだ。特に地元の深大寺クリテリウム、神中坂とかは小学校の時から知っている坂道だ。
ちなみに天文台通り、調布飛行場、信号のない頃、スプリントの練習場所だった。
ここからは自分の話になるが、東京の道路事情の悪化、そんな環境に嫌気がさして、実は一時期ロードバイクには乗らずにいた。
乗るのはトライアスロンの試合のみ。それとローラー台だけだった。
実走は殆どMTB、シクロクロスでの秘密のクローズコースを走るだけ、公道を走っての練習は全くしなくなっていた。
そんなおり、2014年から娘1が大学で自転車競技部に入部して、ロードレースを始めた。
未成年なので登録選手になるため、親のドーピング検査の承諾書を持参してきた。
「本気? だったら手伝うか」
自分は昔、伊豆のチャレンジロード(ロードレース)にも出ていた。実際ロードレースで、スタート直後の高速コーナーで集団落車に合ったこともある。前の方でキーというタイヤの摩擦音、怒号、金属音。恐怖だ。
ロードレースはレース中の怒鳴り合いとか結構粗暴なスポーツだと思っていた。
若い女の子で大丈夫かと思い、心配なのでサポートすることにした。
ちなみに娘1は高千穂さんと面識があるようだ。
*私の子供達娘1(2番目)娘2(末っ子)長男(1番目)
小説でもある小山田、連光寺コースなど多摩丘陵の練習場は、大学の朝練によく使われている。有力な大学も走っていた。
たまに娘1の大学のBチームで小山田を走ったり、娘の自主練に付き合い奥多摩を走ったりもした。
久しぶりにロードの実走は楽しく感じた。またクリテリウム、エンデューロレースにも参戦した。ロードバイクライフがまた蘇ったのだった。
ロードレースの世界は、かなり洗練されていて、パンチのおっさんが、「邪魔だ!」と言うような世界ではなかった。
だが、歳なのか、昨年急性心筋梗塞をやってしまい、それ以来全くロードバイクに乗っていない。
現在リハビリで毎日ローラー台に乗っている。練習日は250日以上の累計となり、漸く復調してきた。
そしてこのタイミングで「ペダリング・ハイ」を読んだのだ。
あの実在するコースのスピード感、風切り音、苦しさを懐かしく思い出した。リハビリの力になった。
15年以上の愛車「キャノンデールSIX13」とフルクラムR3のホイールにコンチネンタルGP400IIのタイヤでまた走ってみたい、そんな気分になってきた。一応目標だな。
「ペダリング・ハイ」引退を退ける動機付けになった。
グッドタイミングの小説だった。
参考に深大寺クリテリウムのコースを紹介。
所詮街の中、思い切り走るのは危険だ。
国立天文台のクリテリウムコース。休日、交通量は少ない。
連光寺周回コース、尾根幹の坂が連続してるので結構キツい。
交通量は多いが道が広いのでなんとか練習になる。
町田の小山田コース、ここは休日の朝はかなり本気で走れるし、キツいし、練習になる。
私は、比較的スムーズな黄色のショートコースがキツくって好きだ。
以上。
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