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私的なドーピング  心臓疾患の薬

北京 冬季オリンピック、女子フィギュアスケート、ワリエワ選手のドーピングが発覚した。それは心臓関係の薬だったようだ。なのために、おそらく疲労回復だろうか、よう知らんがそんな感じだ。

私の認識ではドーピングは大枠2種類ある。
1.筋力強化(パワー、筋持久力)
2.心肺機能強化(回復力、持久力)
自分はトライアスロンや自転車競技を趣味でやっていたので、ドーピングで頭に浮かぶのは心肺機能強化だ。
特に自転車ロードレースでのドーピング問題は一時期大騒動になっていた。

自転車ロードレースのドーピング
この場合、心肺機能の強化のドーピングだ。またツール・ド・フランスのような長丁場の試合では疲労回復の効果もある。

そのドーピングで過去一番使われたのは、EPO(エリスロポエチン)製剤だ。2010年くらいまで、欧州の自転車レースではこのドーピング疑惑だらけだった。

特にツール・ド・フランスのランス・アームストロンの大スキャンダルには驚愕した。7連覇が全部抹消されたのだ。
ランスは癌から復帰して、ツール優勝。この時期はスポーツ界では尊敬を持って賞賛されていた。まさかのドーピングとは、自転車スポーツ界全体の信頼もこれでかなり損なわれた。

EPO(エリスロポエチン)は腎臓から出すホルモンで、元々は貧血の薬だ。それを人口的に作ったものを投与すると、その効果として、赤血球増加作用のあるヘマトクリット値を上げる。

つまり体全体に酸素を沢山運べるようになり、持久力と回復力が増す。高地トレーニングと同じ効果がでる。
一般にヘマトクリット値(Ht値)が50%越えるとドーピングが疑われる。
一般人は40%台が普通だ。

このドーピングの弊害は、まず血液濃度が上がり、心臓の負荷が上がる。
血管にドロドロの血を流すので、場合によっては血流が詰まって心臓が止まることもある。
常に心拍数と血圧を上げて心臓の血液を回す必要があり、深夜に自転車を漕ぐとか、映画ではそんなシーンがある。
そんな死を疑われる自転車ロードの選手だが17人はいたという。
この映画は実話を元にしており、かなりドーピングの本質に迫っている。
後味は悪い。フランス映画。RACER

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さて、ヘマトクリット値について調べてみた。
ヘマトクリット値は血液中に赤血球が占める割合(%)、
成人男性で40~50%、成人女性で34~45%。

高地馴化するとヘマトクリット値は上がる。低地に戻ると値は次第に元に戻ってしまう。
だから、マラソン、水泳、自転車の選手は試合間近に高地練習を入れる。
それを薬でやるのがEPOドーピング。

ちなみにヘマトクリット値は男性では50歳代から、女性では60歳代から低下し始め、その変化は加齢ともに落ちる。さらに男性の方が落ちが顕著だそうだ。高齢の女性ランナーが男性より多く活躍するのはこのせいかもしれな

最近ではドーピング防止のため、アスリート・バイオロジカル・パスポートがある。
これは継続的に検査しデータ化して解析するので、1年後に発覚とかもあり得る。
EPOの場合、ヘマトクリット値の異常値だから、高地トレーニングを長期にすれば上がりますが、その事実がなく上がっているとドーピングを疑われる。
インチキを見逃さないバイオロジカルパスポート。

アスリート・バイオロジカル・パスポート
(Athlete Biological Passport:ABP)
ABPとは、アスリートから経時的に検体を採取し、解析する検査方法です。
1回の検査で禁止物質が検出されなかったとしても、何度も検査・分析を重ね、経時的に観察することで異常な変化を検出し、違反が判明する場合もあります。

私的なドーピング
私の場合、昨年7月に心筋梗塞で倒れて、カテーテル治療を受けた。
その後、回復はしているが、心臓関係の薬は幾つか飲んでいる。
抗血小板薬、降圧剤、コレステロールを減らす薬、胃腸薬などだ。

ドーピングとされたロシアのワリエワ選手も爺さんの心臓病の薬を間違って飲んでしまったとか言っている。おそらくこの薬は全部ドーピング検査に引っかかるだろうと推測する。

だから、練習をしても、この状態での運動能力は本当に正しいのだろうかと疑いたくなる。まぁ薬は量も関係するので、細かくは分からないが、今までのようにスポーツをするのであれば、無くしていくしかない。

気になる点で、ヘマトクリット値が健常時の値に戻っている。
治療時(2021年8月末)は36.1 %、現在(2022年3月) 43.7% 年齢からみても高めだ。
*この値は、医師に質問したら、カテーテル治療時にかなりの量の点滴をされていたので、薄まったのだろうということだ。(2022.3.18)

飲んでいるアスピリンは 血小板の働きをおさえ、血液が固まるのを防ぐ作用がある。心臓の負担を減らす。
病気である場合、薬は難しい問題でもある。パラ選手はどうしているのだろうか、基本心臓疾患の人間は出られないのだろうか?
疑問のままで終わる。

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