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マディフォックス 1993年のバイクの再生

マディフォックス リターンズ
 2014年、娘2が高校生の頃から通学・通勤自転車として使っていたアラヤのマディフォックス(Mady Fox)が、10年ぶりに私の手元に戻ってきた。
Mady Fox1993年製、フロントにロックショックスのサスが初めて付いたモデルだ。これは妻がプレゼントしてくれたマウンテンバイクだった。

アラヤ・マディフォックスは1982年に新家工業が販売を始めたマウンテンバイクである。日本のマウンテンバイクの黎明期から販売されている。

 当時、私が住んでいた団地から5分の場所に横浜のチベットと言われた里山が広がっていた。そこがこのマディフォックスのフィールドとなっていた。とにかく長く乗っているバイクだ。

当時は横浜でもレースがあった

マディフォックスの引退
 2006年にゲイリー・フィッシャービックサアーを購入したため、長年レースで使っていたマディフォックスは、私の通勤と普段使いのバイクとなった。

 マディフォックスは本格なマウンテンバイクレース仕様なので、クロス仕様にするため、ホイール、タイヤを交換する。これで総重量が11キロとなった。だから当時巷に溢れていたロードバイクと同じ速度域で走れた。
ただスポーツバイクをよく知らない車のドライバーは、子供の自転車だと勘違いをして、走行時に強引な左折や追い越しをしかけてきた。
「そんなバイクで、車道を走るな!」だろうね。

危機一髪
 東八道路から国道20号線へ向かう武蔵境通り、その緩い下り坂の車道を私がマディフォックスで走っていた時だ。道は上下4車線、舗道も広く、自転車はほとんどが舗道を走っている。私は歩道は走らない。この日も下りなので40キロくらいで走っていた。

 職人が運転する軽バンが、マディフォックスに乗る私を抜く、軽トラ程度の加速で私が直ぐに引きは離さられると思っていたのか、おそらくバックミラーの死角に私が入って勘違いしたのだろう。横に並んだ状態で左折のウインカーを出して、目の前の道を左折してきた。

 ハンドルが軽バンのサイドドアにぶつかる。私はそのまま軽バンとシンクロして左折した。怒りでドアを叩いた。同時に叫ぶ。
「こらー止まれ!」

 少し先で軽バンは止まった。職人が降りてきたが、私は通勤途中なので時間がない。「バカヤロー!」と怒鳴って走り去った。
まだ血の気が多く、自転車に乗っている時、危険車両に怒鳴っていた時代だ。実は近所に競輪場があって、その選手達が車を止めて、脅かしていたことを見ていたので、「そう言うのOKなんだ」と思っていた。
今は一切やってません。でもこの場合、車が悪いと思う。

 最近はアシスト自転車の普及の影響か、かなりの速度で舗道を暴走する。またノールックで交差点に突っ込んでくる自転車も多い。
「なんだかねぇ」
何時まで経っても自転車が文化とならない日本だ。

2007年当時のロード仕様

コラテック(CORRATEC)登場
 娘2は全く自転車を整備しない子で、タイヤに空気さえも入れない、当然バルブの仏式、英式、米式もわからない。ちなみに息子は自転車メンテの資格を受験している。(合否は不明)
娘1は大学時代、自転車競技部でロードレースをやっていたし、自転車さんでアルバイトもしていた。だから2人ともそれなりに自転車整備はする。

 私はマディフォックスを壊したくなかったし、事故も怖かったので、娘2が自転車通学・通勤をしていた頃は、定期的にメンテをして、消耗品の交換もしていた。しかし、今年の春から娘2は仕事を変わり家を出た。マディフォックスはお気に入りで、持っていき、相変わらず通勤に使っていた。

 そんな娘2から電話があった。必要だと思い買ってあげた仏式対応のパナの空気入れで、マディフォックスに空気が入らないと言う。さらにシフトが変わらない、チェーンが落ちる、ブレーキ鳴りが酷いと色々と不都合を言ってきた。
 
 古いスポーツ自転車は半年もメンテしないとガタガタになる。私はマディフォックスが崩壊する前になんとかしようと思い、私が使っていたクロスバイクのコラテックを車に積んで娘の住んでいる団地へ向かった。
そして等価交換した。

コラテック(CORRATEC)ドイツブランド SHAPE URBAN アルミフレーム、タイヤは700cで、ロードよりのクロスバイクだ。2016年製、2019年にオークションで格安で手に入れた。コンポはシマノだが。Vブレーキは安物がついているので、デイオーレに交換した。何故か市販車はブレーキを安物にしている場合が多い。

 購入しても娘2はコラテックには乗らず、マディフォックスを乗り続けた。勿体ないので今まで私がコラテックに乗っていた。
つまり購入5年目でついに娘2が乗るようになったのだ。
「めでたいね」

 私にはフレームが小さいので、ハンドル、ステムを交換していた。今回娘2のサイズに戻す。タイヤは大好きなコンチネンタルのスポーツの32mm。走りが軽いタイヤだが、パンクしやすいので、少し心配だ。

私仕様時、140mmのステムが飛び出す

マディフォックス リターンズ
 マディフォックス、私の手に戻ったが、ボロボロだ。クランクに鳥の糞が着いているのを見ると少し悲しくなる。早速掃除しながら、動作をチェックする。

 リアデイレイラー 、シマノ・デイオーレXTの動きがおかしい。中のバネが壊れているか錆び付いているのだろう。これは1993年製だから限界だろう。
ホイールは振れが酷い、アラヤのホイール、ハブはデイオーレTX、高級品だが使い方が悪い。
チェーンリングは尖っている。限界まで消耗していた。

メンテナンス 
 走れる状態に修理するため、まず部品を集める。
私のストックにないコンポ類はオークションを探す。メルカリは既に転売屋になっており、この種の古い製造中止になったコンポはクソ高い。
消耗品のタイヤも26インチは選択肢がなくなっている。

購入品 こんな時はAmazonに頼るしかない。
パナレーサー クリンチャー タイヤ [26×1.50] ハイロード2本 ¥5,000
チューブ2本 シマノ ストック品
ミカシマ(MKS) 自転車 ペダル RMX1セット ¥3,100
グリップ 1セット ¥900

ヤッフーオークション
シマノ ディオーレLX フロント・リアディレーラー8S ¥2,600
シマノ 42 5ホール フロントチェーンリング 42 ¥1,700

ストック品
ホイールセット アラヤ、ハブ、シマノ ディオーレXL 
ステム NITTOHオリジナル 130mm 
サドル VOL 
シフト ワイヤー シマノ 

かかった費用 ¥13,300円

上が交換用品のデイオーレLX
フリーを交換 ハブはデイオーレLX ホイールはアラヤ

作業内容
 ホイール、タイヤ、前後交換。
リヤディレーラー、フロントチェーンリング(トップ)の交換。
ペダル、シフトワイヤー、ハンドルグリップ、サドルを交換する。
ハンドルステムをオリジナルに交換。
細かい調整をして終わりだ。
作業は3日かかった。1回2時間作業。

偶然手に入った純正品のチェーンリング新古品を交換
交換したもの部品取りにもならない
ディレーラーの動きは悪くは無い
ほぼ完成(修理完)

ワイヤリング(ケーブルの取り回し)の話
 ロードバイクのワイヤリングを見ると組んだ人のレベルが分かる。目安になるのが、リアブレーキケーブルのワイヤリングだ。これは正しいとか正しくないのかではなく、手をかけているかどうかの話。

 シマノのデフォルトのケーブルセットでアウターをそのまま使うと、余長が多く、ほぼ山なりになる。このままだとインナーケーブルの動きにフリクションが生じる。だから切って適切な長さとするのだけど、今時の既製品となっているロードバイクではそんな手間をかける職人さんは少ない。組むだけだ。

 私のキャノンデールはこんな感じだ。短い(私がやった)
息子用にと、TTバイクへ乗り換えたトライアスリートから買ったアンカーはいい感じだ。
このバイクだけどシマノ汎用のアルミホイールがきちんと芯だしされていて少し驚いた。いい店で購入したのだろう。
アンカーを初心者へ売る店は大体真面目だ。初心者は派手な車種を好むからね。アンカーは個人がメンテ出来ることを考慮して組まれている。

ワイヤリング1
ワイヤリング2
ワイヤリング3
ワイヤリング4

人間も部品交換したい
 私は坐骨神経を今患っており、今回の作業はキツかった。

 さらに私は心臓もステントを5箇所入れているし、薬も多く飲んでいる。
これでも63才までトライアスロン選手であって、年代別では上位の選手だった。60才の時はオープンウオータースイムで年代別3位にもなった。

 これが最後の入賞で、64才から体が一気に壊れていった。自転車で言えば耐用年数が過ぎたのだ。
マディフォックスは直るからいい。私の体も部品交換して治るならそうしたい。


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