歴史的国産ギター MARUHA マルハとゴジラ
古い国産ギター MARUHA
今はなき国産ギターブランド マルハ 一時期斉藤和義がパーラータイプを持っていて話題となったこともある。
レトロ感があるギターだ。
しかし、このギターブランドは非常に特殊で、日本の歴史、戦争が絡まってできたギター。見た目より不思議な経緯を持つギターだ。
飛ばなかった戦闘機 震電
マルハギターを創設したのは橋本文男さんと言う方。戦時中の福岡で新形戦闘機の開発をしていた。
「震電」という日本国土防衛用の戦闘機、地元の調布飛行場でB29相手に帝都防衛をしていた飛燕よりもさらに高性能で、後ろにエンジンとプロペラを付けた奇妙な戦闘機だ。
ゴジラ 1.0に登場する戦闘機。これを開発していた人だ。
飛行テストをする前に終戦となってしまった。
アメリカはこの飛行機も含めて日本の飛行機の創造性に恐怖を抱き残存する飛行機を徹底的に破壊した。工場の機材も破壊して跡形もない。
その独特の技術に、ゼロ戦などは布や竹を使った部品もあり、鉄の工業製品しか知らないアメリカ人は、そのジブリの戦闘機のような職人技術が相当に怖かったようだ。
そして飛行機開発は禁止された。これが日本が未だに飛行機産業へ参加出来ない理由だ。あの昔の特殊な技術がそのまま発展したらどうなっただろう。世界の航空産業はどうなっているだろう。妄想してしまう。
一方戦後、行き場を無くした職人や技術者。
ゼロ戦の技術者はホンダでF1開発し、世界にリベンジする。
この橋本さんはギター工房を立ち上げた。
この不思議、何故ギターなのか、音楽が平和をもたらすからか、マルハは日本の敗者の歴史に埋もれた。戦後の平和を求めて作られたギターだ。
オークションで5000円で手に入れたマルハ
1974年製、マルハ F100 合板ギターだ。しかしこのギターのトップ板の薄さが際立っている。そして軽い。軽くても強度がある。まるで日本の戦闘機のコンセプトだ。
ウクレレと同じで軽く薄いギターは鳴る。
50年前のギター、トップ板が薄いのでブリッジ板の所が弦の張力で膨れている個体が多い。これは大丈夫だ。
ネックの状態もいい、トラストロッドも余裕があった。フレットもままあの減り。
本当にトップは薄いね。これで鳴りがよくなる。
音は綺麗な感じで鳴る。昔昔、YouTubeが趣味の動画アップの時代