【第3号】colomagazine(2020/5/28発行)

新型コロナウイルス蔓延を防ぐための緊急事態が解除されました。解除までに「アベノマスク」が届いた方、未着の方、悲喜こもごもですが、いかがお過ごしですか? ころからのメルマガcolomagazine(ころまが)第3号をお届けします。

第3号のラインナップ
1)【特集&Pickup】「13坪の本屋」がドキュメンタリー番組に
2)【メディア掲載】書評面の情報をご提供ください!
3)【コロナ時代に読みたい一冊】『増補版 沸点』
4)【今週のトリビア】ころからの奥付に○○がない理由
5)【追伸】

※ころからが発信するcolomagazineは、メディア・出版関係者を中心に、これまで触れあう縁のあった方へ送信しています
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1)【特集&Pickup】「13坪の本屋」がドキュメンタリー番組に
木村元彦さんの『13坪の本屋の奇跡』(19年11月刊) http://korocolor.com/book/honyanokiseki.html の「主役」とも言える大阪・谷町六丁目の隆祥館書店が、ドキュメンタリー番組「映像'20」(MBS制作)で特集されることになりました。
https://www.mbs.jp/eizou/
「映像'20」は関西で40年続く長寿番組で、60分間の本格的なドキュメンタリーとして定評があります。
5月31日(日)の深夜0:50からの放送ですので、録画スタンバイお忘れなく。
今回は関西圏での放送となりますが、場合によっては後日にBS-TBSで全国放送される可能性もあります。
じつは、小社・木瀬も取材を受けていますが、カットされていないかも見所です(笑

2)【メディア掲載】書評面の情報をご提供ください!
2月刊行のグラフィックノベル『草 日本軍「慰安婦」のリビング・ヒストリー』の書評が共同通信から配信されました。
評者は翻訳家の池田香代子さんです。
が、共同通信はなかなかアナログな通信社で、どの地方紙に書評が掲載されたか「目で確認」するより方法がないのです。
現在のところ、全国のころまが読者からの情報提供で、下記新聞に掲載があったことが分かっています。
・北日本新聞(5月9日)
・沖縄タイムス(5月16日)
・琉球新報(5月16日)
・信濃毎日新聞(5月23日)
ほかの新聞でも「見たよ」という方は、ぜひともお知らせください。

3)【コロナ時代に読みたい一冊】『増補版 沸点』
http://korocolor.com/book/zouho-futten.html
[2016年6月初版刊行、2018年8月増補版刊行、計5000部、A5判、200ページ、1700円+税]

政府発表によると新型コロナウイルスの蔓延は収束しつつあるとのこと。
ですが、少なくない人がその発表そのものを信頼していないことが、SNSからうかがえます。一方、隣国の韓国や台湾は、その対応が非常に高く評価されています。自国民からだけでなく、国際機関からも。
隣の芝は青いと言いますが、ちょっと青すぎませんか?(笑
しかし、韓国と台湾が30年前まで戒厳令下にあり、民主化後は日本とはちがって共和制国家を維持してきたことを思うと、その「青さ」はまた違って見えてきます。
そんなことを考えさせるのが、チェ・ギュソクの『増補版 沸点』(加藤直樹訳、クォン・ヨンソク解説)です。
本作は、いまから40年前の光州事件から始まります。ただし、それは「アカの暴動だった」と信じる主人公ヨンホの回想シーンとして描かれます。
そのヨンホがソウルの大学に入学するのが1985年。そこからの2年間を、1977年生まれのチェ・ギュソクが描きます。
便宜的に「主人公」と言っていますが、ヨンホはストーリーの大半を獄中で過ごします。なので、真の主人公は……、それはお読みいただいてのお楽しみとしたいと思います。
共和制国家は、「毎日が総選挙」とも称されます。政権と有権者の緊張関係によってギリギリ成立しているのが共和制とも言えます。
そうした背景・歴史になにがあるのか、『増補版 沸点』から学ぶことは少なくありません。
そして、まったく余計なおせっかいではありますが、電車の中で読むことはお薦めしません。途中から涙がぼろぼろこぼれ、ヘンなおじさんになってしまいますからーー。


4)【今週のトリビア】ころからの奥付に○○がない理由
唐突ですが、いま一番近くにある本の最後のページをご覧になってください。
奥付と呼ばれるページに、刊行日や著者名などの書誌データ(これも本に特有の名称ですね)とともに、印刷所や製本所が記されていませんか?
欧米の本にはない「奥付」が日本で義務付けられたのはなんと江戸時代。それからぐっと時代が下った明治維新後も「慣例」は続き、1893年の出版法によって、発行者だけでなく、印刷所などを記すことが法的に定められました。
どうしてでしょうか?
それは、大日本国憲法下においても一定の言論の自由が認められていたため、出版社を弾圧することはそれほど簡単ではありませんでした。
が、もし反政府的な内容、あるいは反天皇制を含む書籍があった場合、出版社よりも印刷所などを締め付ける方がずっと容易だったからです。
出版社は、いまも昔も印刷機械を擁していません。販売網もありません。だから、政府ににらまれ、「手」(印刷・製本所)や「足」(取次)を攻撃されたらひとたまりもありません(ちなみに戦時中の取次は日配というひとつの会社に統合されていました)。
さらには、出版社とは善くも悪くも取引先でしかない印刷会社を明記させることで、実際に手を出すことなく、言論を萎縮させる効果もありました。
ただ、奥付を義務化していた出版法は1949年に廃止になっています。
なのに、99%の出版社はいまも同法の趣旨に応じた表記を継続しています。控えめに言って「どうかしてる」ですね。
ということで、小社の本の奥付をご覧ください(え、持ってないって!? それはいけねーや)。どうでしょうか? 著者、パブリッシャー、装丁、発行社のほかに「余計」な表記はありません。これは偶然ではなく確信的に表記していないのです。
「ころからの奥付に印刷会社等の表記がない理由」をお分かりいただければ幸いです。

5)【追伸】
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