【第7話】伝説の男『国男ちゃん』
第5話に登場した国男ちゃん、彼の伝説は他にもある。
国男ちゃんの家は僕の家から少し下ったところにあったので、子供達が集まると彼もいつもいた。そして国男ちゃんには僕よりひとつ年上の妹もいた。皆いつも一緒に遊んでいた。
ある日、僕の家の庭で遊んでいた時、次は何をして遊ぼうか、という話になり、僕の家から自転車でブレーキを使わずに坂道を下れるか、、、という話になった。
お寺(僕の家)からの下り坂はそれほど急な坂ではないが、40〜50m程あり、その先には交差点があり、その交差点の角にイチイの木の垣根がある家があった。交差点の先の道は急に道が細くなって、その先には数軒の家が並んでいた。
そこへ向かってブレーキなしで坂道を下るとなると、かなり危険なことである。そんな危ない事をするバカはいないだろう、と皆が思っていたら、、、
「オラがやる!」
また新たなる伝説が始まろうとしていた。
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