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近くて遠い箱根(630文字)
箱根は楽しい。
都内からは気軽に電車で、日帰りも出来てしまう。
緑があり、湖があり、温泉があり、ミュージアムもある。
しかし、なかなか行けないでいるのが、彫刻の森美術館。
初めて彫刻の森美術館を訪れたのは高校時代。
青春真っ只中、友だちとワイワイ楽しく、広々とした屋外美術館で過ごした一日は、そのままこの美術館に対する印象となった。
2回目は大学時代。
これもまた大勢のサークル仲間とのんびり楽しく過ごした。
初回同様、気候も天候も申し分なかった。
印象はそのまま、ぜったいに楽しめるところだという確信になった。
その次に箱根を訪れた時は、就職してから会社の先輩と。
絶対におすすめだからと勢い込んで行ったのに、混雑のため駐車場にも入れてもらえなかった。
ここからケチがつき始めた。
その後、一泊の予定で箱根を旅行した際は、思わぬ事情により二日目は急いで帰らなくてはならず行けずじまい。
その後も二度ほど箱根を訪れるも、いずれも日帰り旅行で十分な時間が確保できずに断念。
この春は、箱根旅行自体が別のプランに化けた。
こんなに行きたいと思っているのに実現に至らない…なかなか手の届かない場所。
そんな風に縁がないと思われるところは他にもある。
京都と富士山。
どちらも楽しかった思い出があって再訪望むも思い通り成就せず。
しかしこれは、もしかしたら、楽しみは残しておくべしという天の思し召しなのかもしれないと思う今日この頃。
資金もワクワクもしばらく大事に温めて、少しずつ大切に使っていくことにしよう。