見出し画像

〈全盲のバイオリニスト〉穴澤雄介さん(601文字)

先日、穴澤雄介さんの講演&演奏を聴く機会を得た。

母親を失い、右目を、左目を、そして父親をも失い、死守したバイオリンを相棒に一人生き抜いてきた壮絶な半生を語る穴澤さんに、陰鬱とした空気はなかった。

食べるために、生きるために…バイオリンを弾こう。
しかし、楽譜を見ることが出来ない。
点字を学んだ。
しかし、楽譜を指で読めば楽器を持つことが出来ない。
それならば、自分で曲を書こう。
編曲もしよう。
売り込むためにYouTube も。

ユーチューバーであり、作曲家であり、演奏家であり、講演もする。
今、東京では彼の映画『光をみつける ヴァイオリニスト穴澤雄介からのメッセージ』が公開され、また書籍『光を見つける』も出版されたそうだ。

講演の際には、自作曲も披露してくれた。中でも『うちのわんこ』には驚いた。かつて自宅で飼っていたという小型犬をイメージして作ったというこの曲では、たびたび「わんこ」の「キャンキャン」という声をバイオリンで表現している。ピアノやパーカッションの伴奏と、自身の口笛も演奏の一部に入る。なんとも微笑ましく、可愛らしく、斬新な曲だと思った。『うちのにゃんこ』もあるらしい。

困難に立ち向かってそれを乗り越えていくエネルギーが凄い。また同時に、それに引きずられない明るさが魅力的。YouTubeは頻繁にアップされているようなので、時々拝見して、そこから彼の発するエネルギーをお裾分けしてもらおうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?