算数科授業研究「6学年:拡大図と縮図」
9月11日(月)に6年2組で,9月14日(木)には6年1組で,算数科の高学年ブロック授業研究会を行いました。
「形が同じで大きさが違う図形を調べよう(拡大図と縮図)」の単元で,本時は,「拡大図のかき方を考える」授業です。
「2倍の拡大図をかく」という問題に,
「全て(辺の長さや角度)を測らなくても,拡大図はかけるか」
というめあてを持って取り組みました。
2組は,タブレットで「ロイロノートに考え方をまとめる」方法で学習を進めました。
5年生の学習内容(既習)の「合同な図形」のかき方を振り返りながら,拡大図をかく方法を考えます。
ノートに拡大図を作図した後,ロイロノートの「シート」の手順をヒントに,自分の考え方をまとめていきます。
「①はじめに⇒②次に⇒③そして」と,シートを順につないで考え方を整理します。
一方,1組では,「考え方もノートにまとめて」いきます。
既習の「合同な図形」のかき方を復習しながら,解決の見通しを持ちます。
拡大図を作図した後,考え方(説明)をノートに順を追って書いていきます。
考えをまとめたノートをタブレットで撮影し,ロイロノートで共有します。
タブレットで友達の考えを見ながら,自分の考え方と比較して考えを広げていきます。
何人か友だちの考え方(かき方)を,全体で確認します。
出された3通りのかき方を,シミュレーション動画で再確認し,合同な図形のかき方との共通点を整理し,「既習を生かす」という算数・数学の基本を確認しました。
その後,適用問題(別の拡大図をかく)に違うやり方で取り組む際にも,この動画は,個々の児童に応じたヒントにもなります。
1組と2組で,問題解決のツールであるタブレットの使い方を変えてみたことで,「児童の実態に合わせたICT機器の活用」の様々な視点を検証することができました。
中学校での学習を意識した学習を進める6年生の,「ICT機器の効果的な活用法」を考える,大変有意義な研究となりました。
*教材研究* ~小・中の「学びの連携」を考える
本校の6学年担任が,中学校の数学を見据えて教育活動を展開する理由が分かる例を,以下に紹介します。
★中学校3年「相似の利用」に、小学校6年「拡大図と縮図」(7時目)と
同じ問題(校舎の高さを求める)があります。…その理由は?
◆小学校「拡大図と縮図」と、中学校「相似の利用」の関係
小学校では,「形が同じ」であることの意味を明確にします。そのことをもとに,中学校での「相似」の学習では,小学校の「拡大図をかく活動」を想起させます(拡大・縮小の操作で相似を定義)。
さらに,中学校では,「相似の定義」⇒「相似条件」を,「合同」の学習をもとに演繹的推論で説明していきます。
中学校の数学に必要な力を身に付けておくため,小学校段階で,いろいろな割合で拡大・縮小する活動をとおして、相似の概念理解とイメージを豊かにしておくことが大切です。