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Kindle本『孔子とその弟子・子路』を上梓しました。

 新型コロナが猖獗をきわめる昨今、ボク自身は比叡山中腹の自宅で蟄居を決め込んでいます。というわけで、まあ「ヒマ」の一言につきるわけです。
 そのヒマを持てあまして、今年の春は、漢文の書き下し文のような文体で記された中島敦『弟子(ていし)』という表題の小説の現代日本語訳を試みてみました。

 それがざっと400字詰の原稿用紙で約80枚になりました。それで、キンドル本として公刊してみた次第です。

 いうまでもなく中島 敦(なかじま あつし、1909~1942)は、日本近代の小説家です。代表作に『弟子』『山月記』『光と風と夢』『李陵』などがあります。

 彼は、第一高等学校、東京帝国大学を卒業したのち、横浜高等女学校の教員勤務のかたわら小説の執筆を続け、パラオ南洋庁で教科書編修書記を経て専業作家になりました。
 しかし、その直後、持病の喘息が悪化して33歳で亡くなりました。その死後に出版された全集は毎日出版文化賞を受賞しています。

 その短い生涯に残した著作は、中国古典の歴史世界を題材にした作品や、南島から材を得た作品、古代伝説の体裁をとった奇譚・寓意物、自身の身辺を題材にした私小説的なものなど、未完作も含めわずか20篇たらずです。
 が、漢文調に基づいた硬質な文章の中に美しく響く叙情詩的な表現が印象的です。また、自分自身についての記述は冷厳で、作品は全体として哲学的な懐疑に裏打ちされた芸術性の高いものとなっています。

 今回、現代語訳を試みた『弟子(ていし)』の原作の脱稿は1942年6月でした。が、雑誌『中央公論』(1943年2月号)に掲載されたのは、その半年余り後のことでした。

 この小説は、子路という、少しやんちゃで個性的な人物が、孔子の門弟となってから、衛という国の政変で死ぬまでの物語です。
 孔子に弟子入りした子路が、その直情径行に貫かれた性格と儒学の教えとの落差のなかで、苦しみつつ学んでいく姿や、子路を叱りつつも彼を愛した孔子の姿が情感豊かに描かれている、なかなか面白い小説です。
 その現代語訳のキンドル本の紹介は、つぎのURLに掲載されています。

 価格は、わずか250円です。無論、kindle unlimited なら「0円でダウンロード」できます。

 ただ、キンドル本を読むには、そのためのアプリが必要不可欠です。それは、ブラウザーに
 「キンドル アプリ」
 と入力して検索すると、
 「キンドル無料アプリで本を読もう」
 というサイトに行って、ダウンロードできます。

 これがあれば、パソコン、タブレット、スマホのいずれでも、すべてのキンドル本が読めます。おひまなときに、ご覧いただければ幸いです。

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