根っこを育む大人のための幼児教育

幼児教育の世界に足を踏み入れてちょうど20年。
幼児教育は幼児を教育するためのものである以上に、大人のためにあるものだと確信している。
今日はそんなことをつづりたい。

多くの場合、幼児期を過ぎ去った一時期として思い出すことはあっても、そこからさらに深堀りするということはしない。いつの間にか自分という存在に溶けて込んでいるものだからだ。しかしよくよく考えると幼児期とは自分では選ぶことのできない時期である。その選べない時期がいつの間にか自分に溶け込み、とてつもなく大きな影響を与えているって?
幼児教育を学んで初めてそういうことに気づいた。ちょうど自分自身の幼児期を紐解き始めた頃だった。

その頃の私は自分のことが大嫌いだった。いわゆる「自己肯定感」が低く「私なんか…」が口癖。いつも人の顔色をうかがってカメレオンみたい。これまでも、これからもそんな人生がずっと続くと思っていた。

そんな私が大転換期を迎える。恩師との出会い、ルソーの『エミール』との出会いだった。恩師は言った。「今からが大事」と。

幼児教育界では、幼児期が大事と学び続ける。それゆえ恩師の一言は衝撃だった。そしてルソーの『エミール』からある一節を紹介してくれた。

”人間は二度生まれる。一度目は存在するために、二度目は生きるために”

この言葉から私は、自分の人生は自分で決めていいんだという希望を得た。つまりそれまでの私は自分の人生を自分で決めてこなかったのだ。「自分が嫌い」の理由がそこにあった。選べない時期によって規定された私は空虚だった。

私は「生きるために」覚悟を決めた。幼児期の自分の声にひたすら耳を傾けた。そのことによって「自分が好き」といえる今がある。
どんなプロセスだったかはまた今度。

幼児教育は人を幸せにする。そのことをあなたに届けたい。



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