【日記】はじめてのpython
1 未知との遭遇
二年ほど前
「君はパイソン知ってるの?」
そう上司に言われた。
プログラミングなんて微塵も触ったことのない私はなんのことかわからないどころか趣味の爬虫類飼育のことかと思い、
「僕、どっちかというとボールパイソンよりコーンスネークの方が好きなんですよ。ただ、嫁が餌用マウスを冷凍庫に入れるの嫌がっていて…」
と饒舌に答えたが、上司の顔には?マークがある。
話がかみ合わなさすぎて私の顔にも?マークだ。
「いや、プログラミング言語のことよ。若いから知ってるかなと思って」
若いからスマホやPC使うものなんでも出来ると思うなよ!私は生粋の機械音痴なんだ。そしてそもそももう若くない。
そう思いつつも少し気になったので会社の帰りに本屋に寄って立ち読みをする。
『python』
ご存じの方も非常に多いと思うが、プログラミング言語の一つ。
youtube等に使われていることで有名らしい。
◆適していること
機械学習(画像判別等)、データサイエンス
◆適していないこと
スマホアプリ・webアプリの作成
ふーん。
機械音痴にとってはその程度なのだ。
2 無知の恐ろしさ
それから暫く経ち、今から1年ほど前に自分が勤めている会社でpythonの超初心者講義があった。諸々の事情もあるので詳しい内容を言うことは出来ないのだが、そこまで深い内容ではなかった。
と言うより、私のようなプログラミングノータッチの素人に難しい話をしても意味がないので「こんなことに使われていますよ」というところからスタートすれば当たり前の様に時間も足りないだろう。そこまで深い内容を学ぶまでには至らなかった。寧ろ進んでいたとしても私の頭はフリーズしていただろう。
自分の机に戻ってきた私は上司に呼び出される。
「どうだ!AIが作れるようになったのか?」
とんでもない言葉が飛んできた。こいつは面白い冗談だ。
「youtubeのサイトくらい作れますよ!」
冗談には冗談で返したつもりだったが
「本当か!!」
と目を丸くされたので慌てて訂正した。
ただどうしても、感覚の違いというものは拭いきれず、「何だったら作れるんだ」「人工知能はどうやったら作れるのだ」と質問責めにあった。
This is a pen を英語の授業で習ったから海外で生活出来るだろう。是非行ってくれ!と言っているようなものだ。
何とか説明して理解してもらえたが、上司は少し不服そうだった。そんなもん数時間話聞いただけでAIが作れたら世の中はもっと変わっているし、SEなんて職業は要らないと思う。
3 pythonとの再会
それから暫くpythonを触ることはなかった。人間学ぼうとしなければ進歩はしないものである。とても興味があるわけでもなく、仕事で使う必要性があるわけでもない状況だと自主的に学ぼうという意欲がなかった。また、人事異動で別の部署になり、仕事も忙しくなったという自分への言い訳も付け加えておこう。
そんなある日、新しい部署の上司から
「東くん、pythonの講義受けたって聞いたんやけど、画像認識って出来るもんなん?何か作ってや」
そんな馬鹿な…
とりあえず、前回と同様に事情を説明して理解をしてもらえた。
こうも色々と話が出てくることもあり、決して仕事としてやるわけではないが、私は自分のために少し勉強しようと決めたのであった。
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