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広島の被爆便所を訪ねて (1)
想像地図の人がずっと気になっていた場所が広島にある。その1つが、「被爆便所」である。本来の名前は「本川公衆便所」。
2015年まで被爆建築物だと認識されていなかったが、被爆直後の映像にこの便所らしき建物が映っていることからこのトイレが被爆建築物だと判明したという珍しい経緯を持つ。
行ってみるまでの前日談
この話を聞いて以来、ずっと行きたいと思っていたのだが、同じく広島県内には乗車しておきたいローカル線がある。2023年の時点では、呉線・芸備線の備後落合-三次・福塩線が未乗車であった。また、廃止が決まっていたスカイレールへも乗っておきたいという思いがあった。しかし、これら全てを1日で回ることは現実的ではない。
ひとまず、廃止時期が決まっていて廃止日を過ぎると二度と乗れなくなることが確定していたスカイレールに乗りに行ったのが2023年9月17日である。これは日帰り旅行で実施することとなり、出発も直前に決めたので切符の購入も当日になったが、山陽本線と呉線が経路特定区間であるという特性を利用することにした。
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山陽本線と呉線は経路特定区間なので、山陽本線経由の切符で呉線に乗ることができる。よって、「往復切符で往路は呉線・復路は山陽本線」という乗り方をすることができる。そうすれば、時間をかけて複雑な切符を窓口で注文しなくても、券売機ですぐに切符を買うことができる。
行きに呉線を経由して呉で途中下車して大和ミュージュアムなどを見学し、帰りに山陽本線を経由して瀬野で途中下車しスカイレールに乗り、三原から新幹線で帰る、という旅程にした。
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このときに被爆便所も見に行こうと考えたが、大和ミュージアムの見学が意外と長引いてしまって、日帰り日程だと言うこともありこのままでは肝心なスカイレールに乗れなくなる可能性もあったことから、この日は被爆便所に行くことはせずにスカイレールに乗ってから、三原駅から新幹線で帰った。
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再度の計画
2023年に呉線への乗車は達成したが、芸備線の備後落合-三次と、福塩線が未乗車のまま残っていた。また、可部線も未乗車であった。
そこで、2024年はこれらの路線に乗車しつつ、被爆便所も見学する旅程を計画することにした。
0の字切符の利用も考えたが、山口県内の山陰本線に不通区間があることから現実的でないということで、連続切符を使うことにした。具体的には、以下のルートである。
連続1:京都市内 → 広島市内
経由:東海道, 山陽, [岡山], 吉備, [総社], 伯備, [備中神代], 芸備, [塩町], 福塩, [福山], 山陽
連続2:広島市内 → 京都市内
経由:山陽, 東海道
吉備線も未乗車なのでそこを経由するルートにしている。また、三次で途中下車するため、「塩町 - 三次」の往復切符も買い足すことにした。
また、日程としては混雑を避けるため、青春18切符の時期を避けるために7月の連休に合わせた。
当日
2024年7月13~14日という2日間の旅程は6月の時点で決定していた。その頃に梅雨は明けているだろうと考えていたが、1週間前の天気予報では雨の予報が出ていたので心配であったが、当日はそこまで悪い天気ではなかった。
最初に途中下車したのは岡山駅。
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路面電車の延伸のため仮移転している桃太郎像を見るために途中下車した。
岡山からは吉備線(桃太郎線)に乗るのだが、駅名標がこんなことに。
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2022年6月に山口県で吊り下げ式の駅名標が落下する事故があって以来、中国地方では吊り下げ式駅名標の撤去が進んでいる。これは駅名替え歌作者にとっては痛い状況だったのだが、徐々にこのように壁に貼り付けるタイプの駅名標に置き換わってきつつあるようだ。
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岡山(9:29発)→総社(10:26発)→新見(11:55着)と乗車し、新見で途中下車する。
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次は新見を12:58に出発する芸備線の備後落合ゆき列車に乗車するのだが、昼の時間に1時間の待ち時間があるのは優れていると思う。駅前にある頌山堂で昼食を食べる。
実はここには過去にも来たことがある。2021年12月20日に木次線に乗るときも、同様に昼に1時間ほどの待ち時間があって、同様に昼食をとった。もっともそのときは、伯備線で新見に入ったのではなく、岡山から津山線と姫新線を乗り継いで新見に入った。
芸備線で備後落合へ
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この景色を見るのは2度目だ。しかし前回は2021年12月で冬だったので、こんな風に緑に覆われていなかったから、受ける印象は全く違う。
3年前と同じような時間に備後落合に到着。
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3年前に来たときの備後落合駅とは印象が全然違う。
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3年前に訪れたときは、雪景色だったのだから。
あの日は備後落合から木次線に乗り継いで島根県へ向かった。今回はそのときとは異なり、三次方面を目指すこととなる。
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18きっぷの時期ではないが、車内は決してガラガラではない。乗車している人々の半分以上が鉄道ファンであるとみられる[要出典]。
1時間20分かけて、16:00に列車は三次に到着した。
芸備線のここから先の区間は、2017年4月30日に間中さんと2人で三江線に乗りに来たときに乗車した区間である。
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あの時乗った三江線も2018年に廃止となっている。なお、2017年に乗車したときは、京都 → 鳥取 → 江津 → 三次 → 広島 → 尾道 → 京都 という経路の0の字切符を利用した。
今回は、三次から福塩線で福山を目指す。もちろん今回の旅行の目的地は広島にあるのだが、福塩線で福山に出て、福山で一泊してから早朝に広島へ向かうというのが今回の旅程である。
16:52の福塩線の出発まで1時間弱の待ち時間があり、何か腹ごしらえをしても良いかと思ったのだが、残念なことに夕食を食べるには早すぎて店が開いていなかったので夕食は福山で食べることにした。駅前を散歩しているとこんなものが目に付いた。
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係員用通路とみられる場所で、可部線の北部区間や三江線が残っていた時代の路線図が再利用されているではないか。これの裏面に何が書かれているかは、駅構内に再入場したときに確認してみよう、ということで見に行ってみると、こうなっていた。
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良く見ると「基本動作で安全作業!」と書かれているのだが、その文字は日焼けでほとんど消えかかっている。可部線の部分廃止は2003年なので、そのときに路線図を看板として再利用したとすると、21年で看板はここまで劣化したということだろうか。
福塩線に乗車
三次駅を16:52発の列車で府中を経由して福山に向かう。
出発して暫くすると見えてくるのがこの建物。
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牛乳パックの形をしたこの建物。福塩線の車両と一緒に写った写真を見たことがあったので気になっていた建物である。
「大迫牛乳店」というらしい。大迫半端ないって!
なお、写真でも分かるとおりこの区間の福塩線は上り勾配となっている。ここは広島県だが、日本海側の水系に属する地域なのだ。では瀬戸内海側の水系との分水嶺はどこかというと、上下駅なのである。ここを境に、福塩線は下り勾配になる。
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上下駅で上下する体操(?)をするツイートがバズっていたが、分水嶺(峠)だから「上下」なのだという意味が分かると面白さが増すはずだ。
この後は府中で列車を乗り継いで福山にたどり着いた。
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第2部へ続く。