子供ニュースでの上位6党首出演下院選挙特別番組
こんにちは!勝手に広報のコーフボールママです♪
先日、成人対象の公開討論会の記事を書きましたが、今回は子供たち向けの公開討論会の様子を書きたいと思います。この番組は、党首の性格や人となりがとても良く出るような構成になっていて、この番組を見てどの候補者や政党に投票するのか、決めた人も多いと思います。各党が何を大切に思っているのかを子供たちに向けて約30秒でのスピーチで説明したり、党首が協力をし合ってゲームをしている姿は非常に好感が持てました。
子供向け特別選挙番組はこちら↓
6人の党首の30秒のスピーチ ↑
この30秒スピーチのポイントだけを要約してここに書いてみます。
党首の30秒スピーチ
CDA(キリスト教民主アピール) ウォプケ・フックストラ党首
自分やここいる他の党首たちも今よりオランダをもっと美しくして
次のジェネレーションに引き渡したい。
どんなバックグランドの子供たちでも、全ての子供たちが様々な才能を開花させるようにする。
PVV(自由党) ヘールト・ウィルダース党首
オランダは自由な国であり、様々な自由な選択肢があり、言論の自由がある。一番大切な事は自分らしくいられること、自分が考えていることを発言する自由があること、自由な国オランダを将来にも残したい。
D66 シグリッド・カーグ党首
他の政治家と共にオランダをキレイに公平にする。なりたい自分になれるように全ての子供たちに公平なチャンスを与える。それには、自由と安全が必要。一番大切な事は、みんながお互いに思いやりと尊敬を持ち、相手の事を考えてそっとしておくこと。
SP(社会党) リリアン・マレイニセン党首
拍手で迎えられた事に対して、下院議会では誰も拍手なんてしてもらったことないわ。と笑いながら登場。SPはみんなが公平にチャンスもらって、将来的に学資ローンに苦しむことなく好きな学問が出来るオランダを作りたい。オランダの貧困を無くしたい。金銭的に恵まれない子供たちがスポーツが出来なかったり、朝食を食べずに学校に行くなんて、SP的にはあり得ない。
オランダには沢山お金があるんだけど、公平に分配しなければならない。
マレイニセン女史は、色んな事を話しすぎで30秒を随分超えてしまったので、子供たちにも時間内に収まるようにスピーチをしてね。と注意されていました。
緑の党 イェッセ・クラーファー党首
環境問題に取り組むことが一番重要。6千5百万頭の畜産が閉じ込められている工場的畜産を止めさせる。それが出来ればオランダにもっと自然や野生動物が増え、空気もキレイになり、良い人生が送れる。みんながこれからも住み続ける事が出来る地球にすることが出来る。
VVD(自由民主党) マルク・ルッテ党首
一番大切な事は、ウィールスが収束して心配なく遊んだり、おじいさんとおばあさんの所に会いに行ける事。まず、優しくて優秀な先生たちを増やす事、次にヘールト(ウィルダース)が言ったようになりたい自分になれる選択が出来るオランダにする事。それらが出来ればオランダの未来は素晴らしいものとなる。私たちが次の世代に美しい地球を引き渡すために環境問題にも取り組む。
ルッテ首相は最後でしたので、みんなの発言をまとめたようなスピーチになっていました。ルッテ首相だけコロナウィルスについて話しましたので、他の政治家とは目の付け所が違うな。と思いました。子供たちが対象のスピーチでしたので、彼らの将来がどうなるのか話す事が一般的だと思うのですが、さすがにコロナ危機対応の最終責任者であるルッテ首相は目の付け所が違います。
党首がペアになって協力してクイズに答える
いつもは仲が悪そうに見える政治家たちが協力して子供なら知っているクイズに答えました。色んな答えが書いてある付箋を選んで答える形式です。
チームオレンジ色 CDA フックストラ党首 & D66 カーグ党首
チームピンク色 緑の党 クラーファー党首 & PVV ウィルダース党首
チーム黄色 SP マレイニセン党首 & VVD ルッテ党首
党首たちが、「TikTokやってる?」「子供いないから分からない。」「ねえ、みんな、これで合ってる?」とか話しているのが面白かったです。
質問の中には「髪の毛が緑色の有名人は誰でしょう?」とういのがあり、
ケイティ―・ペリーやビリー・アイリッシュとか書いてある付箋を選びます。子供たちが選んだ勝者チームはマレイニセン女史とルッテ首相のチームでしたが、ルッテ首相が子供たちに答えを聞いていてズルをしていた。というのが後に別のニュースに出ていました。
その後、様々なテーマを党首たちが賛成か反対かのバナーを持って答えるのですが、この記事の最初の写真にあるようにウィルダース氏が反対(ONEENS)で他の党首が賛成(EENS)のバナーを挙げている写真がメディアでは多用されていましたので、この媒体はウィルダースが好きではないのだな。という事が良く分かって面白かったです。ウィルダースが賛成の時も多々あるにも関わらず、彼だけが反対で他の人が賛成な時を狙って写真を撮るというのもどうだろう?メディア操作が入っているよなあ。って思います。
子供たちが党首に質問をぶつける
好きな都市はどこですか?SP マレイニセン党首
私の出身のOss(オス)に決まっているわよ~。でもフェイエノールトファンだからロッテルダムも好きね。
映画の中の誰になりたいですか? CDA フックストラ党首
前はジェームス・ボンドになりたかったけど、今はインクレディブルのパパになりたいなあ。
どうしていつも自転車に乗っているんですか? VVD ルッテ党首
いつもじゃないけど、結構乗っているねえ。ちょっと運動するのは気持ち良いしね。環境へのちょっとした貢献だよ。
SNSでの憎悪に対してどう対応していますか? D66 カーグ党首
難しい質問ですね。憎悪というのは、違う形をしているけど、学校での虐めと同じ物です。お互いに思いやりのない言動をする。私は、そういったSNSを読みません。一番大事なのは、私が全く相手をしない事です。ああいった事を書く人は私が黙って、消えて、私自身が自分を疑う事を望んでいるからなんです。他の人に憎悪をぶつける人は本当に気の毒な人なんです。(ここで、ルッテ首相がそうだ。と同意します)ああいう人は他にする事がないんです。そういう嫌な目にあったら先生とか信頼できる人に話して下さいね。
大事な事は、「自分はこれでいいのかな?」って絶対、絶対、絶対疑わない事です。
これには、私も感動しました。私はSNSを全くしないので、批判を受けたりしませんが、今の子供たちはSNSに積極的に投稿していたり、政治家たちは色々と書かれたり、メディアで叩かれたり、メンタルが強くなければやっていけないなあ。って思っていたので、カーグ党首のメッセージがジーンと心に響いた人は多いと思いました。
子供たちから各党首に宛てたお手紙
最後に司会者が、みなさんは憎悪と批判にさらされていますので、私たちは皆様に思いやりの心を伝える頃じゃないかな。って思いましたので、椅子の下に子供たちからのお手紙があります。 と発言しました。
どの政治家たちも本当に嬉しそうに椅子の下のお手紙を見つけたのですが、ルッテ首相が本当に嬉しそうにしていたのが印象的でした。
ルッテ党首 私たちはどんなに嫌な事を言われてもポジティブに対応して 頑張っている首相がすごいと思います。
カーグ党首 あなたは強い女性のようですね。他の国々と協力して色んな 事を成し遂げられましたね。
ウィルダース党首 沢山のボディーガードに囲まれながらもお仕事を続けら れているなんて凄いです。
フックストラ党首 あなたは頭が良くて楽しそうな感じです。
きっと良い党首なんだと思います。
マレイニセン党首 あなたはとっても素敵ですね。
自分の意見をしっかり持っているところも良いです。
緑の党 クラーファー党首 TikTokに投稿されているなんて、良いですね。
料理が上手だって分かりましたよ。 カールの髪の毛もイイ感じです。
私の感想
この番組は、12歳以下対象の子供ニュースなので、子供たちが聞きたい事を率直に聞いていて、党首もいつもの討論会のように攻撃と守備でピリピリした感じがなくってとても良かったです。子供たちからの質問で、「ルッテ首相、動物になるとしたら何が良いですか?」「ジャーマンシェパードかなあ。家を守って、餌をもらって、寝て、散歩に行くなんて最高だね。」
と言っていたので、その後のニュースでも「ルッテ首相はジャーマンシェパードになりたいようです。(笑)」と言われていました。
クイズの時も「政治的に意見は違うけど、私たちは協力出来るんだよ。」と誰かが子供たちに対して言っていましたし、とっても大人な対応で、子供たちのロールモデルでいようとするのが良く分かりました。
オランダの政治家の給料は税金で賄われているので、上限があります。ちなみにルッテ首相の年収は172,107ユーロ日本円にして約2千2百万円です。
これは、職務の重さに比べると格安です。ちなみに、オランダ人F1ドライバーで若干23歳のマックス・フェルスタッペン選手の年収は約20億8千万円です。一般大企業の重役も億単位の収入をもらっていますので、オランダの政治家は自分が思う理想的なオランダを創るために給料に関係なく情熱で働いてることが分かります。それは、今回の子供向けの討論会でも別の記事で書きました大人向けの討論会でもヒシヒシと伝わってきました。
社会党は政党理念として国民に公平に分配する。というのがありますので、政治家たちも彼らが十分と思う給料を手元に残して、それ以上の給料は社会党に還元しています。これも、なかなか潔くって好感が持てます。
収入だけを考えると政治家は割が合わないのですが、政治家を辞めた後は
一般企業に引手あまたで就職が出来ます。議会での厳しい討論を乗り越えて、全世界の政治家や権力者達とネットワークを築いている政治家は一般企業でも重宝されます。例えば、元運輸大臣だったオーリングス氏がKLMのCEOになったり、元財務大臣だったザルム氏がABN-AMRO銀行の頭取になったり、元政治家が一般企業の社長になるのはあるあるです。
そう思うと、選挙に負けたらただの人。といわれる日本の政治家たちは一体何をやっているんだろう。と思います。世界の政治家とのネットワークはなかったのか?
一体、政治家だった時にどんなスキルを磨いていたのか疑問に思います。
政治家の質疑応答も日本の政治家のははっきり言って原稿ばかり見ていて準備されていた答えしか言わないので見ていても面白くありません。一体、あなたはどういう信念で日本を導こうと思われているのですか?あなたはどういう人ですか?と、思うのですが、記者会見等では分かりませんし、街頭演説でもみんなが聞きたい、耳障りの良い事しか言わないので私は日本の政治家たちがどういう人なのか、どういう信念で政治家になっているのかあまり分かりません。
そう考えると、オランダの政治家たちは見ていて面白いです。人間味がありますし、自分の考えに賛同してくれる人ばかりはいませんし、脅迫もされますが、それでも、自分はオランダにとって、地球にとって良いと思う事を突き進んで行きます!という情熱が迸っています。ウィルダース氏にしても、極右だと言われていますが、彼は「なりたい自分でいられて、思ったことを言えるオランダ、オランダにはオランダの誇るべく文化やルールがあり、外からやってきた人々にそれを変える権利はない。」という信念で動いています。子供たちが言うように、24時間警備がついている状態は決して楽しい状況とは言えないと思うのですが、彼は自分の信念で突き進んでいます。凄いもんです。
オランダは九州ぐらいの大きさで、東京都ぐらいの人口ですので、小回りが利く国なので色んな事の舵が取りやすいというのは分かるのですが、日本の政治もこれぐらい変化があればもっと国民は盛り上がって面白いのになあ~、って少し残念になりました。政治がつまらなくて、興味が持てなければ誰も選挙に行きませんよね。ちなみに、今回の下院選挙の投票率はコロナ期にも関わらず78.7%で、2017年は81.9%でした。日本は前回の参院選挙で48.8%でしたので、盛り上がり方が違いますね。
日本の政治家さん達、頑張って下さい!