【コレはれ参加者Voice】「安定性」をキーワードに、小さな行動を続けることで自分の土台をつくりたい
KOREWOKINIイベントの参加者体験を追うKOREWOKINI Voice。今回は、2020年6月20日(土)に開催されたコレはれ – Korewokini 曇りのち晴れ – に参加頂いたカズさんに、イベントの体験談と1ヶ月経った現在の状況についてお話していただきました。
プロフィール
2007年に第20回世界青年の船事業に参加、現在は電力関係の会社に勤務。モットーは、「死ぬときに後悔しない生き方をする」。
カズさんは中学2年生のとき、当時電力会社が提供していたドイツ・フランスへの派遣プログラムに参加し、現地の原子力発電所訪問やホームステイを経験されたそうです。
大学では英語教育を専攻しており、船事業参加後は1年間休学をして世界中を旅しました。帰国後は教員など様々な道を検討した末、自分の原体験のきっかけをくれた電力関係の会社に入社を決めました。発電所での人材開発などに携わった後、現在は入社11年目となり管理全般の仕事をしています。
イベント参加前の「もやもや」
――コレはれに参加したきっかけ、またイベントへの期待はなんでしたか?
直感でイベントのテーマ「もやもや」という言葉にピンときて、申し込みました!また、内閣府国際交流事業のOBOGが集まる機会ですから、面白いはずだとも思いましたね。素敵な人たちに会えるという期待感がありました。
――イベント参加前は、どんな「もやもや」がありましたか?
学生時代に人生のライフプランを描いていましたが、歳を重ねていくうちに、当時描いた姿に追いつかないのでは、と実感しはじめました。2019年に結婚し周辺の環境が変化したこともあり、日々試行錯誤しながら生活を送っていました。
さらに、コロナがじわりと生活に影響を及ぼしました。それまで普通に出勤していましたが、4月1日にテレワークを開始、外出やその他の制限を感じるようになりました。
働き方や生活の変化が激しい状況下で、自分のやりたいという気持ちがあったにも関わらず、物事が思い通りに進みませんでした。何かを実現したいのにできない。言葉で表せない焦り、不安、もやもやを感じていましたね。
イベントでの「もやもや」の変化
――コレはれに参加して、ご自身の気持ちはどのように変化しましたか?
めっちゃ気持ちよかったです!天気で表すと、カンカン照りはなく、青空もあり、太陽もあり、ちょっと雲もあるけど、でも爽やかで、風が通る感じですね。
――第一部「もやもや」を言語化する、のワークはどうでしたか?
シートの項目に沿って、時計回りで今の自分の満足度を数字で記入しました。平均点は8ぐらいでしたね。衝撃だったのは、「遊び・余暇」の項目です。シートに記載して初めて、今の自分は余暇という概念を忘れて、遊んでないことに気づいたんです。趣味は多いですが、最近はあまり取り組めていないことに気がつき、これからは趣味の時間を意図的に増やしてみるのもいいかもしれないと思いました。また、「人生の輪」を俯瞰してみて、職場や家庭環境といった物理的環境が整っていることに改めて気づかされました。そこから周囲に感謝する気持ちも生まれました。
――第二部「もやもや」からヒントを見つける、のワークはどうでしたか?
第一部にて「自分にとって大切なことの明確化と優先順位は何か?」という大きな問いが生まれてから、大学時代や社会人時代を振り返りながら、グループのメンバーとともに一つずつ自分がつけた点数をみていきました。参加者の一人が、キーワードとして「安定性」という言葉をくれました。その言葉を受け、自分の人生において大切な価値観の1つに「安定性」があることを発見しました。
「人生の輪」の8領域が1点ずつ安定するレベルまで上がると、安心感を感じられることに気づきました。人間関係の点数が低ければ、仕事の点数が高くてもハッピーではありません。何か1つが非常に悪ければ、他が10点満点でもだめなんです。自分のベストな状態は、オール8だと考えています。これがまさに「安定性」。このキーワードは自分一人で考えたら出てこなかったと思いますね。
――コレはれでは、イベントの起点を「わくわく」というポジティブなものではなく、「もやもや」に設定しました。イベント全体を通して、このテーマだからこそ良かったことはありますか?
コロナによる外出自粛のタイミングということもあり、「もやもや」というキーワードは、多くの人が抱えていたのではないでしょうか。さらに、内閣府国際交流事業に過去参加したけれど、参加後にしばらく場を離れたことでキラキラ輝く人の集まりには顔を出しにくいという方もいると思います。そんな中で、それぞれの「もやもや」を共有するのはいい機会でしたね。
――オンラインでの開催、ということについてどう感じましたか?
同居する家族がいるので、コロナに敏感になっていました。仕事以外の外出で余計な心配をかけたくなかったので、オンラインは、身の安全も保ちつつ、気軽に参加できました。移動の手間もありませんしね。参加者の年齢差もあったので、学生は構えてしまうかもしれませんが。学生の立場では、オンラインの方が社会人と話しやすいのではないでしょうか。
――イベントで他に印象に残ったことや気づきは何ですか?
イベントに視覚障がいを持たれた参加者がいらっしゃったことです。様々なバックグラウンドの方が参加できる環境があるのはいいですよね。
1ヶ月が経った現在
――イベントを振り返って、現在ご自身の状態にどのような変化がありましたか?
気持ちがすごい楽になりました!焦る必要はない、と気づいたからだと思います。今できることをやる。そうすれば、ちょっとずつでも「人生の輪」全体の数字を上げるための土台作りができる、と確信しています。参加前に抱いていた焦りから、穏やかな、爽やかな気持ちに変化し、今はゆったりとした時間を過ごすことができています。
――今後もコレはれイベントを開催したいと考えています。もし次回も参加するとしたら、どのようなコンテンツを企画してほしいですか?
コレはれイベントは、個人的に最高でした!たとえコンテンツが一緒でも、3ヶ月以上期間を空けてからもう一度やってみるのも面白いですね。自分の変化を感じられると思います。
――もしイベントに参加を迷っている方がいれば一言、お願いします!
参加したら、めっちゃ気持ちいいよ!と伝えたいです。ひとりでは自分自身について客観的に見ることができませんが、他者の視点を入れると、自分をみる視点が増えます。一人で自己啓発本を読んでもうまくいかないことがあるように、自分とは異なるバックグラウンドのメンバーからのふとした一言が大きな気づきとなったことが面白かったですね。
――イベントから1ヶ月が経った今、あなたがワクワクしていること、また、これから新しく取り組んでみたいことは何ですか?
「人生の輪」を0.1ずつ上げることです。正直にいうと、時間をかけずにすべての項目を満点にしたい。でも難しい。じゃあ、それぞれを0.1ずつを増やせばいい。例えば、食事に健康的なものを取り入れたり、家族やパートナーと会話の時間を増やしたり、仕事のために勉強をしたりすることです。小さな変化は大きな変化を生む、と確信しています。小さな変化を続ければ、それが土台となるでしょう。オール8ぐらいになり安定性を体感できたときは、次に新たなチャレンジをするタイミングかもしれません。今は、チャレンジできる土台作りの時間だと考えています。
また、日常の中で自分の身の回りから世界を変えよう、という意識で行動しています。
例えば、通勤電車です。今足首を挫ってしまったので松葉杖で移動しています。朝は、優先座席に向かいますが、すでに埋まっています。座る人は、20代・30代の男性で、だいたいゲームに没頭しています。私の姿に気づくと、慌てて表情を変化させ次の瞬間に寝たふりをします。その一方で、おじいちゃんおばあちゃんが席を譲ってくれることもあります。私としては、本当はおじいちゃんおばあちゃんにこそ席に座って欲しいんですけどね。もし席を譲って頂いたときは、降りる駅で「ありがとうございました」と言葉をかけます。大きな声は出せませんが、相手や周囲が自分の言葉で何かに立ち返るきっかけになればいいと思っています。自分の行動が周囲の10人に伝わり、その10人が誰かに同じ行動を起こせば、よい循環が生まれる。それを続ければ、ちょっとでも良い世の中になると思っています。
KOREWOKINI実行委員より
インタビューを終えて、終始穏やかながらも力強いメッセージを語ってくださったかずさん。「安定性で自分の土台を築きたい」、「小さな行動がやがて大きな変化になる」、「身の回りの日常から世界を変える」――インタビューを通じて、丁寧に生きることの大切さに気づかされました。
また、普段なかなか会うことのない多様な方々と交流ができ、新たな気づきを得られる、そんなKOREWOKINIのコミュニティの可能性を改めて大きく感じました。