【週刊プラグインレビュー】Joey Sturgis Tones / Toneforge DI Match
今回はJoey Strugis Tonesから販売されているToneforge DI Matchをレビューしていきます。
まずは紹介動画をご覧ください。
サウンドサンプルはこちらを。
なんとなく何が起きているかお分かりいただけたでしょうか。
Toneforge DI Matchは簡単にいえば自身のギターサウンドを理想のギターサウンドに似せていくMatch EQ+αみたいなものって感じです。
この変化の質が高く、レベルコントロールやエキサイター的な歪みの付加も行え、しかもそれがゼロレイテンシーで扱えるという非常に優秀なプラグインになっているので今回紹介に至りました。
Joey Sturgis Tones 略してJSTは現代メタルやハードロック系の音作りに特化したプラグインを開発しているメーカーです。
スピーカーユニットのIRデータやドラムサンプルなども販売しています。
JSTのプラグインはいくつかのシリーズに分かれているのですが、今回取り上げるDI Matchはギタートーンをシェイプすることに特化したToneforgeシリーズのひとつに属しています。
基本機能
今回取り上げるプラグインに搭載されたDI Match Technologyは、DI信号を解析し操作するためのJST独自のテクノロジーです。
Spectral Matching / Level Matching / Active Pickup Circuit Simulationの
3つのデジタル信号処理技術が含まれており、これらの技術によってギターサウンドの源泉に近いDIのトーンをユーザーが望むトーンに変えることができます。
それぞれ解説していきます。
Spectral Matching
スペクトルマッチングを使うと、楽器の周波数カーブと音の特徴を数秒でキャプチャできます。ギターやベースを演奏すると、ソフトウェアが自動的にカーブを調整し、最適な状態になるまで微調整を行います。
一度キャプチャされたDIのプロファイルは、Toneforge DI Matchに用意された他のDIプロファイルとマッチさせることができます。
様々なアーティストやプロデューサーとJSTチームが提供するDIプロファイルや、ピンクノイズやホワイトノイズのプロファイルを使うこともできます。
キャプチャの仕方はわりかし簡単です。
バッキングギターであればそのバッキングのフレーズを、ソロギターであればソロのフレーズをそのまま弾いてあげるなど、分かりやすい部分でキャプチャーしてあげることが肝心です。
長尺であるほどプロファイリングは正確になりますが、奏法が大きく異なる部分はそれぞれにキャプチャした方が良い結果が得られました。
(ベースの指弾きとスラップなど)
サウンドをキャプチャしたら、用意されたプロファイルもしくは自分で制作したプロファイルを選択して、「Spectral Matching」のツマミをあげるだけです。
0-100%で適応する強度を調整できます。
Level Matching
スペクトラルイメージを作ったら、次にレベルの調節をします。
良いサウンドの為には適切なゲインステージングが必要です。
例えばダイナミクス系・歪み系のエフェクトやアンプシミュレーターの類は、適切なインプットレベルを設定してあげないと旨味が出ません。
入力されるDIの信号が小さすぎたら歪むものも歪まないし、大き過ぎればクリーン・クランチ系のアンプも盛大に歪んでしまいます。
その音をモニターしながら演奏するので、誤ったゲイン設定での録音はピッキングニュアンスやミュートの具合まで影響を与えてしまします。
DI Matchの提唱する"適切なゲイン"とは、アンプやトーンに関わる他のコンポーネントが完璧に機能するボリュームレベルに達した状態を指します。
そのためにレベルマッチングが役立ちます。
ターゲットになるプロファイルを選択したらツマミを上げるだけです。
アンプ前段のレベルとして適正なゲイン値にできるはずです。
そもそもさらに前段の話で、DI Matchにどれくらいの音量で突っ込めばいいのかわからない場合は左端のメーターを参考にしてください。
フォルテッシモで演奏して、ギリギリ赤がつかないくらいがホットでおすすめです。
Active Pickup Circuit Simulation
アクティブピックアップ回路シミュレーターは、実際のアクティブピックアップをシミュレートし、たとえソースがパッシブピックアップでもDI信号にゲインを追加できるようにします。
アクティブ回路ボタンをオンにすると、アクティブピックアップの内部プリアンプの豊かなトーンを探求できます。さらに、ゲインノブを使って、サウンドに攻撃的でダイナミックなエッジを加えることができます。
個人的にはこの機能の自然さに驚きました。
本当に本体のスイッチでアクティブにした時のようなレベル変化と周波数レンジの広がりと歪みを感じます。
詳細は明らかになってないんですが、歪みに伴って多少ピッキングニュアンスなどのダイナミクス表現・エンベロープも変化する気がします。
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