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情熱大陸 aiko

aikoの22年ぶり2回目となる情熱大陸を観たのですが、全くと言ってよいほど変わってなかったですねー情熱大陸に2回も出るなんてそうそういないわけですから、意地でも2回目の意味をaikoファンは考えるわけですよ。その上で、毎回毎回、アルバムが出るたびに考察記事を上げてくるデビューから30年も調教を受けている玄人筋を満足させないといけないとaikoは思っているはず?ですから「前に出たのは忘れていました」では済まないわけであります。

驚いたのは徹底して22年前の放送をなぞっていることです。YouTubeに転がっている1回目の情熱大陸をもう一度見返して比べてみるとどちらも彼女の魅力は何かというテーマで一貫している。制作と登場人物も一緒。ナレーター窪田等、スポンサーアサヒビール、これだけでもすごい。こんなのは意図してもできない、いや、そもそも気付けない。

これだけじゃない。

放送日はaikoの歌詞でよく見られる夏が終わり別れを経験する晩夏。
1回目は4枚目のアルバム「秋 そばにいるよ」の直後、2002年10月6日。
2回目は16枚目「残心残暑」の直後、2024年9月1日。
アルバムの名前も合わせに来ている…

内容はと言うと、複雑な家庭環境を経験して幼少期から才能の片鱗を見せてきた。現在は、高校時代の友人が心の拠り所で困難(1回目は声帯不調、2回目は洗脳事件)を経験してもやっぱり歌が好きという、文章にするとありきたりなシナリオで面白さは伝わらない。中身を見ないと面白さは伝わらない。どちらの放送でも同じ高校時代の友人が登場するのだが、2回目の放送で何気なく昔と比べて(私達が)変わったよねと会話するシーンがあり、同じ登場人物で22年の月日を経験すると当然だが、昔と変わった部分にフォーカスする。それを何気ない会話とスルーしてはいけない。NHKの顔のでかいキャラクターに叱られる。ここまで22年前となぞってきたのはその前の放送とのaikoの違いを際立たせるためだ。

そのヒントは2回目のオープニングの一言にある。扇町公園から見える観覧車を見つけて走り出すシーンで「やっと最近、空ってきれいナノが素敵なんや、とかお風呂って気持ちいいもんなんやって思えるようになったなぁってやっと最近、ちゃんと心に届くようになって歳を重ねたからなんかなーって」と話して放送の中ではじめて昔と異なる点を伝えた。

これを言葉通りに解釈したら『夏の星座にぶらさがって』や『あなたを想う日しか体に何も残らない』というフレーズに対して感情を伴わずに思いつき、歌っていたことになる。まさに天才である。

いや、そんなことはないはず。ここ数年の変化について語っていたと解釈すべき。報道では2016年9月からの2年半と言われている所属事務所の元取締役による洗脳事件からの回復を意味しているだろう。(もちろん、天然で思いついた線もある。こんなに夏の歌を作ってヒットさせているのに好きな季節を聞かれて冬と答えている。)

この事件でaiko自身が法廷で証言しているように洗脳されていた。歌手活動にも影響は大きかったはずだ。2018年から2021年の間、アルバムの更新は途絶えていて、ファンはこれについてのコメントを期待して本編を観たはずだ。しかし、まさに係争中の事案であり、コメントするのは難しいことが窺える。それを期待するファンへの最大限の配慮から出た事件の影響はもうなくなって回復したという表現と受け止めるのが自然だろう。

ここまでがマクラで夏競馬の終わりと共に、もう佐々木大輔の馬券的妙味がなくなったことを書きたかったが、中山9Rのランプシーを最後に買いたいので今日はもう寝たい。

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