韓国語が「伸びる人」がやっていることは?
note限定公開マガジン「韓国語先生に聞いてみた!」では、韓国語学習者の疑問に現役韓国語講師のイ・キョンア(이경아)先生が答えていきます。前回の記事では、「1年間韓国語勉強を続けたら、どうなるのか?」について聞きました。
今回のテーマは…
今回のテーマは「韓国語が伸びる人がやっていること」。
韓国語初心者や今韓国語勉強が伸び悩んでいる方は、とくに知っておきたいトピックだと思います。
インタビュー開始!
インタビュアー キョンア先生、こんにちは!本日も引き続きインタビュー、何卒よろしくお願いいたします。
キョンア先生 よろしくお願いいたします。今日はどんなことについて話しましょう?
インタビュアー 今日は「韓国語が伸びる人がやっていること」について先生にお聞きしたいです!
キョンア先生 なるほど。確かに伸びる方々にはいくつか共通点はあります。その中でも今日は「韓国語がよく伸びる人の6つの共通点」をご紹介できればと思います。
インタビュアー ぜひこれからの韓国語学習者のために教えていただきたいです!どんな共通点があるのでしょうか?
❶「毎日」できる人
キョンア先生 まず、1つ目は、「毎日勉強」できている人です。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、ほとんどの人ができていないことです。
インタビュアー たしかに「今日くらいは…」となって、サボり続けて、いつの間にか韓国語勉強をしなくなっている方も多く見かけますもんね。
キョンア先生 はい。一度サボってしまうと、無意識的に「自分はサボった人」「だから、明日もサボって良い」という意識が生まれます。
だから、毎日5分でも良いから「韓国語に少し触れる時間」を作ることをオススメします。この5分がモチベーションを維持し、いずれは習慣になります。
インタビュアー その5分が大事なんですね。2つ目の共通点はなんでしょうか?
❷「予習」よりも「復習」できる人
キョンア先生 2つ目の共通点は「復習すること」です。
私は、「予習」よりも「復習」が大切だと考えています。その理由は、予習は自分が知らないことについて勉強するため、復習よりも2倍から3倍ほど時間がかかるため、時間効率が下がってしまうからです。
全く知らないことを学ぶことは、韓国語講師と一緒に学び、わからないことは質問し、理解を深めましょう。
そして、自分一人の時間を「復習」に当てることで、「知識の定着」につながると思います。
インタビュアー 復習は本当に大切なんですね。たしかに、しっかり基礎が定着していないと中級で苦労するという話はよく聞きますもんね。
キョンア先生 全くその通りです。初級レベルから中級にすぐ上がるのも良いですが、個人的には、初級レベルは自分が満足できるまで復習しておくことをオススメしています。
初級レベルの知識をしっかり定着していないと、中級になった途端、難しすぎると感じて、スランプに陥りやすいです。
初級レベルを何度も復習することがスランプに陥らない方法の1つです。
何度も復習するというと、何だかつまらないと感じるかもしれませんが、勉強スタイルを変えるだけで楽しく勉強できます。
たとえば、初級の文法の本を終えた方は、初級会話の本を勉強したり、また初級の文法の本の日本語訳を韓国語で作文をしてみたりですね。同じ初級レベルの勉強でも、勉強スタイルをちょっと変えることで、違う気分で楽しむことができます。
インタビュアー なるほど。スランプに一度陥って、やめてしまう方もたくさんいらっしゃいますからね。もし、すでにスランプになってしまった方はどんなことをすべきですか?
キョンア先生 それについてはYouTubeでもお話しましたので、ぜひご覧ください(笑)
インタビュアー ぜひ拝見させていただきます!(笑)続いて3つ目の共通点も教えてください!
❸「記録」して可視化する人
キョンア先生 3つ目の共通点は、「記録すること」です。自分が勉強したことを記録するということは、自分の勉強進捗を「可視化する」ということです。
自分の勉強進捗を可視化することで、「満足感」「自信」を得ることができ、「客観視」ができるようになります。
また、自分を客観視できるようになれば、「自分に今どんなことが足りないのか」、「どんなことを勉強すべきなのか」を知ることができます。
インタビュアー なんとなく闇雲に勉強していては、自分に何が足りないのかわからないですもんね。仰る通り「自分がどんな勉強をしてきたか」を知ることで、「これから何を勉強すべきか」がわかりそうです。
❹授業時間を「フル活用」できる人
キョンア先生 理解していただけたようでよかったです。続いて、4つ目の共通点は「授業時間をフル活用できること」です。
インタビュアー フル活用…そもそも良い授業とはなんなのかが気になります。
キョンア先生 私が思う良い授業は「生徒が主人公である授業」です。
韓国語学習者の悩みの中で「韓国語勉強時間は楽しいけど、全然伸びない」ということをよく耳にします。
このような方は高い確率で授業中に受動的になっていることが多いです。つまり、積極的にアウトプットをしていないということです。
インタビュアー でも、発言が苦手で、先生の解説を聞くのが好きという方も結構いらっしゃいますよね。そういう方もやはり積極的に発言をすべきでしょうか?
キョンア先生 はい、発言が苦手な方のほとんどが「間違えることが怖い」という方です。
しかし、私は基本的には間違っても良いから、積極的に韓国語を話すことをオススメしています。間違いを指摘して、修正することが講師の仕事ですから。
インタビュアー たしかに、何も発言がないと、講師も改善点を見つける方法がないですからね。できるだけミスをいっぱいした方が良いということですね!
キョンア先生 はい、「ミスを見つけて修正すること」の連続が語学そのものですから。でも、1回指摘されたら、しっかり修正しようという学習者の意気込みも大切ですね。
インタビュアー なるほど。最初からミスをしないように努力するのではなく、まずは講師にミスを見つけてもらって、見つけてもらったミスを直す努力をするということですね。
キョンア先生 はい、その通りです。むしろたくさんミスをした方が記憶に定着しやすいこともありますから。とにかく、たくさんのアウトプットをすることが成長への1番の近道です。
コリアンテナで担当講師とのLINEを導入している理由も、受講生の方がとにかく韓国語でのアウトプットを増やし、怖がらず、恥ずかしがらず、韓国語を話せるようになってほしいからです。実際に受講生のほとんどが3ヶ月もなれば、韓国語で話すことが楽しいと仰ってます。
なかには、飲み会があって12時近くに帰ってきても、必ず音読宿題の音声を送る方もいらっしゃいます。韓国語を読むことが習慣になっている証拠ですね(笑)
インタビュアー 面白いエピソードですね(笑)アウトプットには深い意味があったんですね。確かにレッスン時間外も韓国語を話す機会があれば、定着のスピードもはやくなりそうですね。
キョンア先生 はい、韓国語勉強が楽しいと感じていただけることが、私たち韓国語講師にとっての1番のやり甲斐ですね。
❺時間と環境に「投資」する人
キョンア先生 続いて、5つ目の共通点は「初級レベルで投資を惜しまないこと」です。
インタビュアー なるほど。これは1回目のインタビューでもあった、「信頼できるパートナーを見つける」にもつながることでしょうか?
キョンア先生 もちろん、繋がりますが、ここでいう投資は「お金」だけではなく、「時間」も含めています。
よく韓国語は英語と違って、日本語と語順が似ているので、習得しやすいとのことを聞きます。それはその通りではありますが、海外の言葉を1つマスターするということは、決して簡単ではなく、それなりの労力がかかります。
なので、韓国語が簡単だと思って勉強をスタートした人は、想定以上の難しさに挫折しているのが事実です。
インタビュアー と言いますと、韓国語を勉強するときは、「ある程度覚悟した方が良い」ということでしょうか?
キョンア先生 はい、覚悟というよりも「楽観視しないこと」が重要だと思います。語順は似ていても、ニュアンスが全く違っていたり、日本語にはない発音があったりと、いくつかのハードルがあります。一人で勉強することは正直なところ限界があると思います。
インタビュアー 第1回目のインタビューで仰ってた、独学者の発音の癖はまさに独学の限界の現れですね。その点を補うために、自分に合う韓国語講師との時間に投資をするべきということですね。
キョンア先生 その通りです。また、専門的な韓国語教室では、カリキュラムも設けているので、参照しておくことをオススメします。
例えば、コリアンテナでは、私が考案したレベルごとの3STEPの学習方法を採用しています。
コリアンテナでは、このように学習者が楽しく韓国語を続けられるような3STEP形式の学習方法を採用しています。受講生にも満足していただいているので、これからもこの形式を維持していこうと考えています。
他の韓国語教室も、工夫がなされているはずなので、自分にあっている教室を見つけることがオススメです。
インタビュアー コリアンテナのカリキュラムもかなり考えられているんですね。めちゃくちゃ効果ありそうです(笑)
キョンア先生 そりゃ10年以上韓国語を教えてきた私が考案しましたから、効果はバツグンです(笑)
しかし、すべての生徒さんに同じ3STEPのカリキュラムを適用するのではなく、受講生の実力・学習スタイルに合わせてカスタマイズしてレッスンを進めています。一人一人の成長スピード・かけられる時間・理解力・環境は、全然違いますからね。
❻「目的」がない人
キョンア先生 続いて、最後の、6つ目の共通点は「目的がない人」です。
インタビュアー めちゃくちゃ意外です。目的がはっきりしている人ほど韓国語を習得しているものだと思い込んでいたんですが、違うんですか?
キョンア先生 半分正解ですね。目的がはっきりしている人は、たしかに初速ははやいかもしれません。
しかし、目的を達成できたあとは、燃え尽きてしまい、勉強を終わらせてしまう方を多く見かけました。
逆に、目的を達成できないと感じた時も、ものすごいストレスを抱えてしまいます。
第1回目のインタビューで申し上げた通り、語学を学ぶ上で、1番大切なことは「楽しむこと」です。楽しくないと続きませんし、やる気も起きません。
また、語学には、ゴールがなく、続けないと、どんどん忘れてしまうものです。だからこそ、目的を果たしても、続けていく必要があります。そうでないと、折角覚えた韓国語を忘れてしまいます。
実際に私の生徒の中には、10年以上一緒に韓国語勉強を続けている方もいらっしゃいます。現在は韓国語を自分のものにし、仕事や旅行などの実生活で役立てています。(もちろん授業も続けています)
10年続けている方のほとんどが「目的はぼんやりしている」けど、「韓国語を楽しんでいる」ということです。
学ぶ楽しさ、知識を得ることの喜びを楽しみながら進んでいければ、スランプには絶対に陥りません。単に「目的がない」ではなく、「目的よりも楽しむことに注力すべき」ということですね。
インタビュアー なるほど。韓国語能力試験やハングル検定など、韓国語関連の検定試験の合格に向けて勉強している方も結構いらっしゃると思うのですが、こちらも韓国語勉強を継続するという観点では、あまり良くないのでしょうか?
キョンア先生 通過点として、韓国語関連の資格を試験することはオススメですが、合格が目的になって燃え尽きてしまっては、元も子もありません。
インタビュアー たしかに、合格して韓国語勉強を止めて、結局使えなくなるのは、本当にもったいないですもんね。
本日も大変参考になるお話ありがとうございます。本日解説された「韓国語が伸びる人の共通点」に関しては以前YouTubeでも投稿しておりますので、韓国語勉強をしている方は、ぜひ併せてご覧ください。
キョンア先生 ありがとうございました。逆に韓国語が伸びない人の共通点に関しても解説している動画があるので、そちらもぜひご覧ください。
インタビュアー そちらも気になりますね。本日はどうもありがとうございました。
次回のインタビュー
note限定マガジン「韓国語先生に聞いてみた!」の第3回目のインタビューでは、「韓国語講師がオススメする独学方法とは?」についてキョンア先生に聞いていきます。