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古着屋Slatの存在意義を問い直す


■ 古着屋Slat, Albatross, Isla

東京の高円寺に5店舗を構える、古着屋Slat。


多くのお客様のおかげで、今月で17周年を迎えます。

節目を迎える今だからこそ、問い直したい事がある。

僕たちはいったいどこに向かい、何をするのか?


■ 僕たちは何のために仕事をしているのだろうか?


ふとそのことを考えることが30代になって多くなった。

数ある古着屋の中で、古着屋Slat及びその系列店全て(以下、Slatと省略します)と、古着屋としての僕は何のために世の中に存在しているのか?その意義を考えてみたいと思う。

■ 僕たちは何を目指しているのか?


それは、

"1人でも多くの人に古着を好きになってもらう"

ためではないだろうか?それは、

今まで古着に接したことがない人が、Slatを通じて古着を好きになるきっかけを得たり、

昔から古着が好きな方が、Slatを通じ、今よりもっと古着を好きなったりする。


古着を好きになり、楽しんでもらう事で、多くの人に豊かさを届ける。

僕たちSlatの目指すべきミッション・ビジョンはそこにあるように思う。



■ 安くて良い物を売る理由


小売店舗としてのSlatはどんな古着屋か?一言で言うならば、

「安くて良い商品を沢山売っている店」

と言える。

安い商品なだけではない。
良い商品なだけではない。
安くて良い商品。
商品クオリティに対する値段のバランスの良さ。
それを更に1点でも多く提供する。

この「商品クオリティーに対する値段のバランスの良さ」というのは、市場経済で優位性を保つだけのもの、ではない。(売上を立てるためだけではない)

それだけでは、あまりにも空虚だ。

そこには、市場経済での優位性とは違った、社会に対する意味も必ずある。

経済的な合理性と、社会に対する意味は両輪である必要があると思う。

・・・

それでは、Slatの価格戦略には、どのような社会的な意味があるのか?

それは、

安くて良い商品をたくさん提供することで、

普段、古着に手を出しにくいお客様にも、気軽にご購入いただくことができる、

それと同時に、普段から古着が好きな方にも「掘り出す」と言うエンターテイメントとして楽しんで頂ける。

ということではないだろうか。


つまり、

安くて良い商品をたくさん売ると言う戦略は、幅広いお客様が古着を好きになり、楽しんでいただくきっかけを提供できる。

(ただし、この幅広い客層の中には、転売を前提としたご購入をするお客様も含まれているのが複雑なのだが、それについては回を追って書いてみたい。)

戦略は目指すミッション・ビジョン達成のための手段である必要がある。

僕たちSlatは、この社会に対する意味を忘れてはいけない。

それを忘れた時、Slatは数多とある古着屋の中で、存在意義を見失い、過多競争の中に埋もれていくように思う。



■ なぜ多くの人に古着を好きになってもらう"必要"があるのか?


では改めて、根本的な問いを立ててみたい。

なぜ多くの人に古着を好きになってもらう"必要"があるのか?


正直、そこには必要性はない。

別に古着が世の中に無くても、人間の生存には大きな支障はない。

・・・

では、Slatが目指すミッション・ビジョン、

「1人でも多くの人に古着を好きになってもらおう」

これは空虚な物なのか?意味は無いのか? 


僕は、このミッション・ビジョンを確かなものにしてくれるのは、

Slatのメンバーが皆「古着が好きだ」という「古着に対する愛情と情熱」だと思う。


もっとわかりやすく言えば、

「社会に古着が必要な理由?そんなのは無いよ。でも、古着って楽しくない?!だから、皆んなで古着を楽しもうよ!」

という事。

「僕たちは古着が好きだ。だから皆んなにも楽しんでもらいたい!」

以上。ただそれだけである。

・・・

そもそも、人間が生きていく上で必要なものだけで構成された社会は、幸せな社会と言えるだろうか?

必要性など無い。古着が人類に必要とされる理由など無い。
でも楽しい。楽しいから、皆んなに届けたい!

これで充分だと思う。だから僕達は「古着が好きだ」という愛情と情熱の元に集まり、

「1人でも多くの人に古着を好きになってもらう」

ために毎日仕事をしていく。それを忘れてはいけないと思う。


■ 従業員の皆へ

どんな理由で、Slatに所属し仕事をしているのか?
それは人それぞれだと思います。

生活のため
・・・ 生活するお金を稼ぐための収入源としてのSlat

将来の夢のため
・・・ 独立に必要な知識と経験を身につけるための学びツールとしてのSlat

楽しむため
・・・ 古着好きの人達に囲まれた生活をただ楽しむためのコミュニティとしてのSlat

どれか1つの人もいるし、複数を併せ持っている人もいると思います。

価値観を矯正したり否定したりする権利は誰にもありません。どれも皆んなの自由です。

ただもし皆さんの中で、

「1人でも多くの人に古着を好きになってもらう」

という思いのためにSlatに所属する!という人が少しでもいたら、
(完全ではなく、一部分に共感してもらえるだけでも良い)

僕はめちゃくちゃ嬉しいし、全力で応援し協力していきたいと思っています。
もちろん、共感できない…という人とも協力し仕事をしていくつもりですが。


・・・

という事で、古着Slat及び系列店舗の存在意義を問い直してみました。明日からも頑張ります🙇‍♂️



最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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東京の高円寺の古着 SLATで働き始めて11年目。
古着に関する、日々の悩みや学び、海外仕入れに関して話していきます。

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