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私の中の星野源

星野源が好きだ。
新刊エッセイ いのちの車窓から2を買ってきた。
まだ読了していないものの、自分の中でぶわぁと広がった感情があったので、ひとまず書き留めておこうと思う。
私の中の星野源は、音楽の人だ。
たしか最初のきっかけは、レンタルビデオ屋で借りたシングル、Crazy Crazy/桜の森だったように思う。
あと、1stアルバムのばかのうたも一緒に借りてきた。最初にアルバムを聴いて浮かんだのは、西日が差し込む築古アパートで過ごす日曜日の夕方みたいな、切なくもホッとする情景だった。
それから、くも膜下出血による療養を経てブラックミュージックの影響を全面に出すようになったアルバムYELLOW DANCERを、大学受験前最後の秋冬に聴き込んだ。翌春、大学入学後もしばらく勉強の思い出が染み込んだ曲たちは、聴く度に色んな感情を運んできた。
その年、恋が空前絶後のヒットとなったが、売れてるものには乗りたくない捻くれ者精神を発揮して逃げ恥は観なかった。コウノドリも、MIU404もまだ観たことがない。俳優・星野源は私の中に一度も入ってきたことがないが、特に理由はない。
星野源は埼玉出身だ。インタビューやエッセイで語られる幼少期や帰省時のエピソードには、埼玉の景色、匂いがあるのかと考えると、一気に脳内映像がクリアになり、感情移入もしやすくなる。出身高校である自由の森学園も、かわいい偏差値(!)で中学受験時によく聞き慣れた名前であった。
そんな数々の思い入れ、自分の人生との接点を手繰りながらエッセイを読んでいたところ、途中から訳も分からず涙が止まらなくなってしまった。彼の書いた文章は、彼の音楽と簡単に結びつき、それが心の琴線を容赦なく震わせてくることを知った。
人生のなかで、忘れたくない感情、理想の景色、大切な人のこと、色々を箱から取り出し、またそっと閉まっておくような、とても大事な時間を過ごした。
残りもじっくり読もう。

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