CTOがデザイン組織をデザインして学んだこと
エイチームライフスタイルアドベントカレンダー2018の25日目は、株式会社エイチームライフスタイル の執行役員 CTO Masahiro.F が担当します。
2018年12月15日(土) に WCAN 2018 Winter で デザイナー全員で、デザイン組織を「デザイン」した話 というテーマで登壇をしてきました。
時間の都合上そこでは話せなかったことを書いていこうと思います。
※ 登壇時の資料はこちらです。
CTOの自分がデザイン組織にいる理由
なぜデザイン組織を立ち上げたのかは登壇資料の中にあるので、ここではなぜそのデザイン組織を自分が見ていこうと思ったのかを書きます。
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自分は20年間近くエンジニアとして働いてきました。その中でデザイナーがチームメンバーにいたこともあるし、自分の上司がデザイナーだったこともあるし、プライベートでは自分の妻がデザイナーでもあります。
その中でよく話がでるのが「アートとデザインは違う」という話。これはエンジニアで言うところの「サイエンスとエンジニアリングの違い」と似ている話だなぁとよく思いながら聞いていました。※1
また、様々な職種がある中で、エンジニアとデザイナーは技術やデザインという手法に興味関心があって、それを学べる学校を選んで、そしてそこで学んだことを活かして働きたいという思いで会社を選んでいるケースが多いです。
今まで自分がやってきたエンジニアリングとエンジニア組織を作ってきた経験を活かしてデザイン組織を作ることで、今の課題解決、未来の課題発見につながるチャレンジができればという思いがありました。
そしていざやってみると、やっぱり違います。面白いくらいに違っていて、最初はなんでそうなるんやー!ってことはたくさんありました。💦
※1 サイエンスは世界の解明であり、エンジニアリングは世界の改善だと私は思っています。
デザイナーたちと触れ合っていく中で気づいたこと
クリエイティブ戦略部を作った最初の3ヶ月間はメンバー全員と 1 on 1をしていました。そこで話していく中で知ったことは、デザインとエンジニアリングの共通点は「問題解決」と「価値の深掘り」であること。
そして相違点は価値の種類。エンジニアリングは「機能的価値」で、デザインは「意味的価値」であること。※2
仕事をする上で「言語化」を必要とされることが多いですが、機能的価値は比較的に言語化しやすいが、意味的価値は言語化がとても難しい。ここを無理に言語化させようとすると失敗をするんだろうなというのが1番の発見でした。
ただ、デザイナーにはこの意味的価値を表現する手法を持っています。それがビジュアライズです。何を言っているのか分からない、伝わらない…と感じたときに、それを絵にして描いてもらってください。また伝わっていないな…と感じたデザイナーは絵にしてください。キレイなイラストである必要はないです。○△□矢印の図解でもいいです。
それは、あなた達だけの唯一無二の最強の道具 です。※3
ぼくもそれが欲しい。
※2 一般的にサービスや商品は「機能的価値」と「意味的価値」で成り立っています。機能的価値はその商品やサービスが直接もたらす価値で、機能や性能を指します。また意味的価値とはその商品やサービスを使うことによって得られる心理的な満足感や商品やサービスの背景にあるストーリーなどが持つ価値を指します。
※3 弊社デザイナーの gilyさんが、会議中に議事録ではなくグラフィックレコーディングをホワイトボードで実践しているのを見て、ものすごく感動をしたのを今でも覚えています。
デザインはデザイナーだけのものじゃない
美的感覚が弱いからデザインに対して苦手意識がある…って言葉をたまに聞きます。私自身もデザインセンスは無いと思ってました。
しかし、昨今デザイン思考であったり、デザイン経営だったりとデザイナーの現場以外でも「デザイン」と付く言葉が飛び交うようになっています。
デザインには大きく分けて2つの意味があります。グラフィックデザイン、Webデザインの制作のように設計したり、色を塗ったりする「スタイリング」。もう一つは「デザインする」という動詞の意味に含まれる「新しい機会をみつける為の問題解決プロセス」という定義があります。
このへんの話をここで書くと数本記事が書けるくらいのボリュームがあるので、詳細な説明はbtraxさんのデザイン思考入門 Part 1 – デザイン思考の4つの基本的な考え方を見て頂けると分かりやすく書かれております。
デザイン思考の記事や書籍を読んだり、セミナーに参加して思うのはデザイナーよりも、マーケター、営業、エンジニアのほうが取っつきやすいのではないかと感じます。※4
デザイン思考というのはまったく新しい概念ではなく、今までの手法を統合して適切なタイミングでそれらを使い分けることだからです。※5
※4 よし、うちもデザイン思考を取り入れよう!だからデザイナーにやらせてみよう!と安易にするとおそらく失敗するのでオススメしません。
※5 マーケターや、エンジニアには馴染み深いリーンスタートアップやアジャイル開発はよくセットで紹介されたりします。
最後に
挙母ロコを始め、 Shunsuke.M アドベントカレンダー運営メンバーのみなさん、本当にありがとうございました!
結果全25記事を通して、非常に多くの方に読んで頂けて嬉しい限りです。
個性豊かで、優秀なメンバーが多数いますので、もしよろしければ、エイチームライフスタイルのアドベントカレンダーの他の記事も読んでいただけると幸いです。(`・ω・´)/
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