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『ニンジンの乾燥葉で冬も染めを楽しもう』キッチンでできる簡単草木染め第十二弾
こんにちは
『ものづくりを日常に』こっぺ工房です。
草木が眠る冬真っ盛り。「冬って何をしているんですか」という質問が多々ある。
ということで今回はグリーンシーズンに収穫して乾燥させておいたニンジンの葉っぱで草木染めをします。乾燥葉を支度しておけば、冬でも草木染めが楽しめます。
■収穫
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まだ半袖を着ていた9月、畑で育てているニンジンの間引きをします。根っこも食べられますが、あくまで副産物。大切なのはこの葉っぱです。
■乾燥
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収穫したニンジンを洗い、根と葉を分け、葉の部分を吊るして乾燥させます数週間で葉っぱがカラカラになるので取り込み、保管しておきます。
■道具紹介
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〇ニンジンの乾燥葉40g
染める鍋がいっぱいになる程度あればいいので厳密な重さでなくて大丈夫です。鍋が小さければ40gもいりませんし、鍋が大きければもっと必要になります。
〇手提げカバン
綿100%の手提げです。アクリルやポリエステルなどの化学繊維は染まらないので綿やウール、シルクなどの天然素材のものであれ何でもOKです。
〇ステンレスの片手鍋
染める布がひたひたになるくらいの鍋を用意してください。アルミや鉄など媒染になってしまうものはNGなのでステンレスやホーローの鍋を用意してください。
〇ザルとボウル、ゴミくずネット
染液を濾したり、媒染や下処理、水洗いなどで使います。こちらもステンレスやホーローを擁してください。
〇柔軟剤
布を下処理するのに使います。綿はウールやシルクと違い下処理が必要です。
〇ハサミ
〇菜箸
〇計量カップ
〇大匙
〇焼きミョウバン
アルミ媒染液を作ります。スーパーで100円くらいで売っています。
□スズランテープ
□割り箸
□ラップ
□プレート
□小石
□輪ゴム
※□は絞りに使う道具なのでなくても大丈夫です。
■下処理
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タンパク質でできている動物性の素材、ウールやシルクと違い、植物性の綿は基本的にそのままでは染まりが弱いです。柔軟剤を使い、静電気を帯びさせることで、染液の中にある静電気を帯びた染料と結びつき染まりがよくなります。
柔軟剤を大匙1杯熱湯で溶き、その中に手提げをいれ、定期的に動かしながら30分間下処理を行います。
■染液づくり
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ニンジンの葉を鍋に入れ、1500mlの水を加えて、火にかけます。最初は中火で沸騰したら弱火に切り替え12分間煮て、染液を抽出します。12分がたったらザルとゴミくずネットで染液を濾します。
■絞り処理
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今回は少しいつもと違い手提げカバンなのでいろいろな絞りを試してみます。下処理後よく水洗いした手提げ。石や割りばし、スズランテープなどを使い、いろいろな場所に絞り処理をしていきます。
■染め(一度目)
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今回は媒染前と後で二度染めを行います。まずは一度目の染め。
先ほど作った染液の中に入れて12分間煮染めていきます。定期的に菜箸で動かすことで染めムラを防ぎます。12分が経ったら取り出します。
■媒染液づくり
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媒染の役割は素材に染液が定着する助剤的役割と、色の発色を促す役割があり、主にアルミ、銅、鉄の三種類の金属で行います。このほかにも錫やチタンなどを使う場合もあります。
ミョウバン大匙1杯を熱湯で溶き300mlの水で薄めることでアルミ媒染液の完成です。
■媒染処理
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アルミ媒染液の中に、染めた布をいれ12分間媒染処理を行います。この際も定期的に動かし媒染液を全体にしみこませます。
■染め(二度目)
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媒染処理が終わったら、水洗いをして余計な媒染液を落として、再度染めを行います。再び12分間染めムラが起きないように菜箸で定期的に動かしながら染めます。
■水洗い
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最後に水洗いをして、絞りを外し、陰干しをしたら完成です。
■おわり
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黄色によく染まり、絞りもうまく出すことができました。
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[こっぺ工房とは]
長野県の片隅で草木染めを中心に粘土や編み物、刺繍などいろいろなものを作って暮らしています。ものづくりを特別なこととしてではなく、日常の中でできるようなことにしたいと思い、特別な道具や薬品をできるだけ使わずにできる草木染めのワークショップを開催しています。現在は依頼をいただいた方のもとでおこなう出張ワークショップをメインにしていますが、将来は自宅を開き、オープンアトリエとして活動できることを目指しています。