僕の冬がはじまる
緑色の風が吹き オレンジ色の風が吹き 黄色の風が吹き 秋を一枚一枚剥がしていく
そして最後に紫色の風が秋を連れ去ってしまった
冬の気配から身を守るため過剰に温もりを感じようとわざとらしくマフラーを巻く
車の荷室からは買ったばかりの灯油が垂れた匂いがしている
僕の冬がはじまる
仮面の修復や味噌づくり、新天地の開発、ストーブの上の染め、機織り、凍み大根、やりたいことはたくさんある
考えれば考えるほどワクワクしてくる
「よしきた」
ちゃんと言葉にしながら膝を叩く
薄い薄い日々を積み重ねて少しずつ変化していく
未来の僕は今日と変わらず幸せそうにしてる。