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その言葉は相手にどう伝わるのか≪重度障害児子育て≫

以前、「投げつけられる言葉」という記事で、障害者に向けて『かわいそう』という言葉が当たり前のように使われることを話したが、今回は元気づけよう、気遣ってあげようとして、逆に傷づけられた言葉を紹介したい。
相手は気遣っているのだから、逆になんとも反応がしにくく、親しい関係の場合が多いので何とも言えない気持ちになる。

まずひとつめは産後に友人から言われた言葉。

「赤ちゃんって、お母さんを選んで生まれてくるっていうじゃない?病気で生まれてもあなたなら愛情深く育ててくれると思ったから、あなたを選んで生まれてきたんじゃない?だから大丈夫よ。」

いやいやいやいや、私だって、元気な子のお母さん、したかったよ?
愛情深く?私、ちゃんとできてるのかな。
大丈夫?一体何が大丈夫??


もうひとつは、今になってもよく言われる友人からの言葉。

私に相談事や愚痴を話した後、「あっ、ごめんね。あなたの方が大変なのに、色々話を聞いてもらっちゃって。」

いや、今現状、私より明らかにあなたの方が大変そうなんだけど。
すごく心配してるんだけど、私にだと遠慮してなかなか相談事ができないっっていうこと?
もう障害児子育ての生活にも慣れたし、障害受容もできているつもりだし、今そこまで大変に思っていないんだけれど。

そして、言い方によってはなんだかとても失礼なのよ。上から言われている気がするというか。「私今大変だけど、障害児を育てているあなたほどではないよね。自分より不幸な人がいて安心する。」と言われているような気がすることもある。卑屈に受け取りすぎなのかもしれないけれど。


言いたいのは、「その言葉、自分が当事者だったら言われて本当に心が楽になるの?」ということだ。
楽になるというなら仕方のない話だが、どうだろうか。
障害児や障害児子育てをしている人にだけでなく、大変そうな人に言葉をかけるときには、本当にこの言葉で合っているのか、傷つけはしないか、一度考えてから声に出してみてはどうだろうか。
直接的な言葉でなくとも心を癒せたり助けたりできることはたくさんあるから。

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