クリームパンの手と私の手≪重度障害児子育て≫
クリームパンの手というのは息子の手のことだ。
小さいころから中学生になった今も、変わらず息子の手はクリームパン。
クリームパンというのは、手をじゃんけんのグーにしたとき、手のひらとは逆側からみたときに、手がまさにふわふわのやわらかいクリームパンに見えるのだ。
これは私以外の人が見てもそう見えるようで、息子が小さいころに通っていた音楽療法の先生も「うわぁ、○○くん、クリームパン2つ持ってきたの?」と息子に声掛けしたくらい。
やわらかくてつやつやでふわふわの息子の手。
中学生になったら男の子らしくなってごつごつしてくるのかなと思っていたが、クリームパンはまだまだ健在だ。
それに対して、私の手。
ガッサガサのひび割れのしわしわの手。
主人から「おばあちゃんの手に見えるよ」と言われるこの手。
元々荒れやすい手ではあったけれども、息子の医療ケアをするために、とにかく手を洗う回数が増えた上に、アルコール除菌をするので、もうガサガサなのである。
ハンドクリームは塗るけれど、すぐにまた手を洗う機会があるので、夜寝る前にたっぷり塗るくらいの対策しかできずにいる。
爪も息子のケアの時に息子を傷つけたり衛生的にも気を遣ったりしているため、短~い爪。手の肌がおばあちゃんに見えるのとは逆に子供のような爪だ。
本当はネイルを塗るのが好きだ。
でも、今はなかなかできていない。
時間に余裕がなかったり、衛生面的にダメなのでは?と思ってしていないのもあるが、なんだかしてはいけないような気もしている自分がいる。
好きなことくらいしたらいいのかもと思うのだが、踏み切れずにいる。
でも、今は息子のふわふわのクリームパンのような手を守るのが第一。
かわいい手をなでなでさせてもらってこちらが癒されてパワーをもらっている。
さぁ、もうすぐ息子がデイから帰ってくる時間だ。
お迎えの準備はバッチリ。
早く帰っておいで、私のかわいいクリームパンくん。