見出し画像

重度マウント?大変マウント?

聞いていたらおかしな話なのだが、以前、あるお母さんがこんなことを言っていた。

「A君のお母さん、私に対して、うちの子は重度だから、重度だからって、何回も言うのよ!うちの子の方が重度なのに!!」

何で怒っているのか聞くと、自分の方がより重度の子を育てていて大変なのに、A君のお母さんがAは重度だからと子育ての大変さを話してきたのが気に食わないのだそうだ。
私からすると、この時点ではうちの息子も含めて重度・医療ケアのレベルは同じくらいだったように思うので、比べなくても良いように思うのだけれど。。。とにかく、どちらが大変か合戦が彼女の中で始まっていたのである。
重度の子の子育てをしている方がすごくて、大変!というような、まさかの重度マウント。大変さの競い合い。
それ、誰が幸せなの?勝ったら嬉しいの?状態の私。

確かにA君のお母さんは私と話すときにも、うちは重度だからと言っていた気がする。でも、悪気があるわけじゃなく、もう口癖のようになっている気がする。
「多分、Aくんのお母さんはどっちがより重度っていうのは気にせずに話しているんだと思うよ。」
と、伝えたが、「それはそれで腹が立つ!」と返ってきた。


ただこの重度マウントに似たような戦いはなぜかよく起こる。
先日も、「うちの子、筋緊張が強くてよくつっぱるから抱っこの時重いんだよね。」という人がいると、「うちの子の方が緊張が強くて困ってる。側弯も酷くなってきていて。」と言う人がいる。
筋緊張が強い子は多いので、「いや、うちの方が」という話になる。
なぜだかみんなこの戦いを制したいのだ。
うちの息子も筋緊張は強めだが、こういう時は「そうなんだ~」「わかる!」と、とにかく聞き役に徹することに決めている。

隠れている気持ちは、『うちの方が大変!!』ということなのだろう。
きっと「大変だね」と言ってもらいたいはずなのだ。
これはきっと健常児を育てていても同じだと思うけれど、それぞれに大変なことがある。それに対して、共感してもらったり、労ってもらったり、時には褒めてもらったりしたいのだと思う。
だから競い合うよりは、こういう話をし始めた人がいたら、今疲れてるんだなと察して、なるべく寄り添ってあげたい。
競い合うのはもっと楽しいことや前向きなことがいいな。

いいなと思ったら応援しよう!