W杯優勝大胆予想!Part2

前回優勝候補を4カ国挙げ、ブラジルとアルゼンチンについて論じてきた。予選も踏まえて、今回は残りのイングランドとフランスについて紹介していく。(Part1はこちら→遂にW杯開幕!優勝大胆予想!Part1|TLBSPO|note

プレミアタレント力、イングランド

フットボール発祥の国とも言われるイングランド。この国は世界屈指のプレミアリーグを持っており、多様で才能溢れるタレントに恵まれている。そんなイングランドのメンバーは以下の通りだ。

GK:ピックフォード、ラムズデール、ポープ
DF:ジョン・ストーンズ、マグワイア、ベン・ホワイト、ダイアー、コーディ、アレクサンダー・アーノルド、ウォーカー、ルーク・ショー、トリッピアー
MF:デクラン・ライス、カルヴィン・フィリップス、ヘンダーソン、ベリンガム、ギャラガー、メイソン・マウント
FW:ハリー・ケイン、グリーリッシュ、フォーデン、サカ、ラッシュフォード、カラム・ウィルソン、マディソン、スターリング

各ポジションを見てみて、最も層が厚いのはやはりFWだろう。特にフォーデン、サカといった若手選手が今大会躍動しており、加えて絶対的エースのケインや今季復調を見せるラッシュフォードといった破壊力抜群の選手が揃っている。中盤にもライス、ベリンガム、ヘンダーソンといった、現代フットボールに特徴的な高速のボックストゥボックスの展開でも真価が発揮できる素晴らしい選手がいる。

実はイングランド国内では、今大会前の期待値はそれほど高くはなかった。というのも、今年のUEFAネーションズリーグにおいて、グループリーグ最下位で降格してしまったのだ。そのため、本当にW杯は大丈夫なのかというサウスゲート監督への疑念を持つ声も少なくはなかった。しかし、今大会のイングランドはその不安を完全に払拭する強さを見せている。初戦のイラン戦に6-2で快勝すると、順当にグループを一位突破。特に前線の得点力が爆発し、今まで完全なレギュラーではなかったラッシュフォード、フォーデン、サカが躍動している。また、19歳のベリンガムの活躍が非常に目覚ましく、今大会は彼の大会だと言わせんばかりの躍動ぶりを見せている。

監督のサウスゲートは433のシステムを採用している。基本はハイラインのポゼッションでサイドから速攻を仕掛けるのがスタイルであるが、前線のスピードを活かしたロングカウンターの迫力もある。特に左サイドからの侵入が得意で、内のWGと外のSB、更にケインやベリンガムが絡んだパスワークで相手を攪乱し、得点できるチームになっている。

今大会のイングランドは、ベリンガム以外は全員国内のプレミアリーグの選手で構成されている。プレミアリーグは世界最高峰のレベルを誇るリーグである。そのプレミアリーグの主力級、特にビッグクラブからの選出が多く、選手個々のレベルはブラジルと並んで大会No.1と言えるかもしれない。ネーションズリーグでの内容と結果によって今回のW杯不安視されていたが、豊富なタレント力とサウスゲート監督のマネジメント力で、優勝候補と言えるまでの強さを見せている。

怪我人続出でも落ちないフランス

前回大会の王者フランス。世界的クラックのエンバぺを擁して、グループステージも一位で通過した。そんなフランス代表のメンバーは以下の通りだ。
(キンペンべ、エンクンク、ベンゼマ、リュカ・エルナンデスは怪我のため離脱、代わりにテュラム、ディサシ、コロ・ムアニを招集。)

GK:ロリス、マンダウア、アレオラ
DF:ディサシ、パヴァール、ヴァラン、コナテ、ウパメカノ、テオ・エルナンデス、サリバ、クンデ
MF:グエンドゥージ、ユスフ・フォファナ、ヴェレトゥ、ラビオ、チュアメニ、カマヴィンガ
FW:エンバぺ、グリーズマン、デンべレ、ジルー、テュラム、コロ・ムアニ、コマン

このメンバーを見て、「あれ?あの選手がいない。」と思った方もいるだろう。その感覚は正しく、今のフランスは怪我人があまりにも多すぎるのが現状だ。レギュラー格の選手だけでも、
ベンゼマ、カンテ、ポグバ、エンクンク、キンペンべ、フォファナ、リュカ・エルナンデス、メニャン
と各ポジションにいる。しかし、今大会のフランスは怪我人による戦力ダウンにはあまり影響されず、順当にグループ突破を決めた。第3戦のチュニジア戦では敗戦したのは、既に突破を決めた中でのゲームだったため、大胆なターンオーバーが影響したと考えられる。今後の負けたら終わりの決勝トーナメントではそのようなターンオーバーを敷く可能性は低く、第1,2戦のような強さを見せてくれるはずだ。

メンバーを見れば分かる通り、各ポジションに世界的な選手を多く抱えているフランスの戦力は凄まじい。とても怪我人がたくさんいるとは信じ難い編成だ。エースのエンバぺをはじめとする攻撃陣では、グリーズマン、デンべレ、コマン、ジルーなど破壊力抜群のタレントを抱えている。中盤は活きのいい若手のチュアメニとカマヴィンガのレアル・マドリーコンビに加え、グエンドゥージやラビオといった経験値豊かな選手もいる。守備陣では、ヴァラン、コナテ、クンデ、サリバといった高さ、スピード、対人力すべてを備えたCBが揃っており、SBもテオ・エルナンデスやパヴァール、ディサシといった様々なスタイルの選手がいる。GKはベテランの正キーパーロリスやマンダンダ、アレオラと層は厚い。怪我人を除いたこの選手たちだけでフランスの強さをある程度説明できてしまうのがこの国の凄いところだ。

優勝は・・・

長々と優勝候補国と各国の特徴を書き並べたが、いよいよ優勝予想の発表だ。優勝は、




アルゼンチン




だ。初戦サウジアラビアに負けたのに大丈夫かと思われた方もいるかもしれない。なぜアルゼンチンが優勝なのか。それは”メッシ”の存在だ。

今大会はメッシが出場する最後のW杯と言われている。スカローニ監督は長年続いたメッシ依存から脱却し、逆にメッシも活かせるチームへと進化させてきた。今大会でもその進化は止まっていないと私は考えている。初戦でサウジアラビアに負け、翌日メッシがミーティングでチームを鼓舞する発言をしたという。いくらメッシほどの選手が鼓舞しても、選手たちがこのショックから立ち直るには相当の時間がかかるのではないか。中2日や3日では戻らないのではないか、と予想されていた中迎えたメキシコ戦。立ち上がりからメキシコのブロックを崩すのに苦労していたが、それを打ち破ったのはメッシの先制ミドルだった。これでチームが一つになり、その後一点を追加し2-0で勝利。次のポーランド戦も2-0で勝利し、強いアルゼンチンが戻ってきた。

その時いくら依存を脱却したこのチームも、良くも悪くも”メッシ”という存在に左右されるチームなのだと感じた。それはある意味神的存在のメッシに依存しているということではなく、チームのキャプテンとしてメッシという一選手の存在がアルゼンチンにとって重要であるということである。どのチームもキャプテンがいるが、そのキャプテンは誰でもいいという訳ではない。良い時も悪い時もリーダーとしてチームを纏める、尊敬を集める存在でなければならない。メッシはクラブチームだけでなく、これまでアルゼンチンに到底数値だけでは測れない貢献をしてきた。そのメッシが今大会が最後のW杯だと言っている。その事実が敗戦後の落胆するチームを目覚めさせたと私は見ている。目覚めたアルゼンチンがどこまでの力を取り戻し、高みを見せつけるか。是非注目して頂きたい。


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