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【妄想小説】ナミュールはなぜ勝てたのか!?

これは…ナミュールがスプリンターズSにおいて、突如覚醒した理由を勝手に考察したミニ小説である。

Rムーアさんから、藤岡さんへ鞍替えです。
私がいつものようにカイバを食べながらレースに備えている時に、その一報を知った。

「調教が軽すぎるが、ムーアがいるから大丈夫!」

そう言われて人気をそこそこ得ていたのだが、「ムーアが落馬しジョッキーが変更に」という情報を知った途端。
「おわった」「ダメだ」という声が多く聞こえた。
競争中止を真剣に考えていた不届者もいる。

粗品とかいうちょっと面白いファンさんが、軸馬に私を推薦した時もそのような悲鳴が聞こえて気がする。

パドックに行ってもその見方は変わらなかった。私に対して「まぁこれじゃ勝てんわな」という目で見る人が多かった。このあたりから私はこう考えていた。

絶対に勝ちたい。と。

私が勝ちたいと強く強く思っても、G1に出場するライバルは全員手強い。悲願のG1制覇を狙うシュネルマイスターさん、ソウルラッシュの兄貴、私が勝つには奇跡が必要だ。とはいえ何も思いつかない…どうすれば良いか?とその時だった。

「お嬢さん頑張れよ!俺、ゲートで暴れるから、」
シュネルさんが突如爽やかな顔でそう提案したのだ。
「でも、シュネルさんにとっては重要なレースではないんですか!?」
「俺はなムーアさんから騎手が変わった途端、態度を変える野郎が大っ嫌いなんだ。そんなレースで勝ってもなんも嬉しくねぇ。このレースは君にあげるよ」
まさかすぎる提案だった。
それだけではない。
「お嬢さんが走りやすいよう、外をあけておくぜ!」
「俺もだ!ペースをかき乱してやる!」
「みんな…ありがとう」
こうして私はみんなの力を借りて、思いっきり走り…そして勝利することができた。
これは、人間の不信感へ馬たちが協力し合ったと思っている。

この作品はナミュールは終わったなと見切りをつけて買い目を変えた結果、
5万円ほど取りこぼしてしまった作者の戒めのため作成しました。
筋書き通りにいかないのが競馬なのである

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