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【妄想小説】リバティアイランドが2着になった理由

この作品は現実で起きた事件等が「どうしてそうなったのか」を妄想する小説です。今日はジャパンカップの出来事を元に制作しました。

「今回負れば来年も競走馬として活躍できるし…お嬢さんが勝った方が良いかもしれないな〜」

まさかすぎる一言だった。
イクイノックスさんがパドックで会った途端、負ける宣言するなんて…。イクイノックスが手を抜いて負けることは誰も望んではいない。

今回勝つとするのであれば私。1枠を引き…得意の府中。勝つ可能性はかなりある。

「このまま勝ち続けるとよ…俺は人間のわがままで種牡馬になっちまうんだ。俺は生きるか死ぬかのレースがしたいんだ。種付をするために生まれたんじゃない。だから負けんだよ」

どうすればイクイノックスさんを本気にさせることができるのか…私は返し馬の時もそのことで頭がいっぱいだった。そんな私にぎょっとするような情報が入ってきた。

FUJIが帯を狙うためにリバティに30万ぶっ込んだぞ!!!!

FUJIって、オリオールズからFA中のピッチャーよね!?
野球選手が私に大金を突っ込んでもし勝ったら…。
メジャーリーガーの道が潰えても、俺には馬券士の道があると思うかもしれない。
彼は子どもたちに夢を与える仕事だ。反社が善人ぶってXで大勝ち報告するのとは訳がちがう。でも私もこの勝負に勝ちたい!どうしよう…。私も手をぬけば良いのかな?と思いながらゲートに入ろうとした時だった。

「FUJIは君に30万賭けたようだね、なんとしても阻止しないとな…」
「どうして?イクイさんまで?」
「俺たちは10km先の音も聞き分けられる馬だろ!?」
「負けるフリをしようと思ったが…プロ野球選手が金の暴力で賭け事をするなんて許さない。俺は頭を使って競馬を買う三浦監督のような人間が好きなんだ」
私にそう語りかけると、イクイノックスさんが今までみたことのないオーラを出し突っ走っていった。自分の馬生よりもプロ野球選手の大博打に対しての挑戦だったのだ。

リバティは全力を出して2着になり、無事FUJIが帯を手にすることはなかった。
イクイノックスを本気にさせたのはFUJIだったのかもしれない。


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