ぼっち the ランナーのbots!! モヤモヤ属性
0’00’’ / 0km
属性は人を安心させる。
何者かである記号を纏わないと社会のパーツにハマらない。
裸で道は歩けない。
その証拠に、裸で広場を歩くのはストリーキングと呼ばれ、社会の安定を破壊する極めてゲリラ的行為として処罰の対象になっている。これは、社会性を乱すからではなく、猥褻物云々等何かしらの法令に抵触するからパクられるという点が巧妙だと思う。権力側は「社会を乱したから」逮捕したい。猥褻物は口実に過ぎない。
と、ここで北海道のやじ排除事件を思い出したが本題から外れるのでまた次の機会に。
またあるいは、愛し合う者たちも裸になる。そこでは社会性は邪魔になるだけ。一糸纏わぬ個と個の対話やセックスやケンカが繰り広げられる。
別の言い方をすれば、わたしたちは、何者にでもなれる。
コンビニの制服を羽織ったらコンビニ店員。
ギターを抱えて歩いたらバンドマン。
何が入っているか分からない大きな部活道具を担いだら部活帰りの学生。
ペットを連れたらブリーダー。
四角いバッグを背負えばウーバーイーツ。
家族で歩けばファミリー。
タトゥーを入れたら反社か職人。
サリーを着たらインド人。
高円寺でゲロを吐いたら上京したての新入生。
法被を纏えばお祭りでテンション上がる人。
浴衣を着たら夏祭り。
7’09’’ / 1km
親水公園ではたくさんの家族が水浴びをしている。
子供たちが巻きタオルで水着に着替えている。
俺はどこからどう見ても「ジョギングをする人」だ。ジョギングウエアを着ていてよかった。もし単独で、普通の服で、しかも立ち止まったりすれば声かけ事案で通報されるかもしれない。
今の時代、通報されないのは、少年野球を腕を組んで見守るコーチ気分のおっさんだけだろう。
鳩の群れがぺたっと地面に座ったり、お互いの毛づくろいをしている。鳩は暑さを感じるのだろうか。
その昔、鶏は35℃をオーバーすると死んでしまうというので消防用のどでかいホースで水をぶっかけるニュースを見たことを思い出した。
晩飯は冷やしチキンかな。
一匹の鳩が目の前を通り過ぎた。
7’20’’ / 2km
夏の昼ランは過酷だ。
夜とまったく異なり、暑さ、湿度、日差しがみるみる体力を奪っていく。
調子に乗ってラップを上げるとたいへんなことになる。距離も控えめにした方がいい。
このランニングコースは、その日の体調や気候によって距離の調整ができるのがいい。河沿いを南西から北上する。途中で東に渡る橋がいくつもあり、どの橋を渡るかで距離が調整できるのだ。橋を渡った先の北東地点から南下し、橋を西に渡ればスタート地点。
今日は無理をしないほうがいい。ジョギングはエンジョイすることが大切だ。
右折し橋を渡った。
7’25’’ / 3km
快晴だ。
河沿いは空が広いのがいい。
ノーヘルのバイクが気持ちよさそうに橋を走る。
交わるように水上バイクが北上する。
もう、属性なんて関係ない。自然と人間、それだけだ。
河面が南の海のほうから北へ向かって波打っている。どうして逆流するのか、すべての河は海へ向かうと学校で習ったはずだが。きっと南風がそうさせているだけで、河全体としては海へ流れているのだろう。
どこからか木の香りがする。
近くに木材店があるのかもしれない。
ググらない。偶然ばったり木材店に行き当たるのがいい。
よく、モヤモヤに耐えきれず解消(したような気でも可)を求める人たちがいるが、俺はそれをひそかにスッキリ乞食と呼んでいる。言葉は魔法。
木の香りが好きなのでこれはうれしいプレゼントだ。木の香りが好きだからDIYが好きなのかもしれない。好きなアロマはフランキンセンス、針葉樹の香り。
今晩は檜風呂に入ろうか。
7’13’’ / 4km
やはりこのぐらいの距離にしてよかった。
源泉のように汗がこんこんと湧く。クールコアタオルを絞って振るととってもクールになる。南からの直射日光を直撃する、顔のなかで一番太陽に近いところの頬骨にそれを当てると、しゅっと音がするかのようなひんやり感が気持ちいい。
半目。
4.43 km
時間 0:31:41
カロリー 331 kcal
平均ペース 7’18’’ / km
平均速度 8.22 km / h
平均歩幅 82cm
歩数 5,296歩
平均心拍数 155 bpm
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