もうひとつの物語:旅の自己探求
今回は宝石の買い付けの旅を通して自分自身をどう見て、周りの世界をどう感じ取ったのかを話してみたいと思います。
1年に数回日本を離れて、海外のマーケットから天然石を買い付けていますが、いつも一人なのでほとんどしゃべらないんですよ。買い付けしている時間以外、結構ひまなんです。そんな時は、毎回1冊の本を選んで持参します。
本を読んでいると、頭が動き始め、本にのめり込む時もあれば、書籍の内容と全く関係ないことを考えたり、妄想したりすることがあります。とにかくボケーとすることはなくて、好きじゃないんです。
本から逸脱して、宝石について調べたり考えたりすることもありますが、最近一番多く考えるのは家族のことやその周辺のことかもしれません。
実は今回の買い付けの旅の中で、タイの学校を見学してきました。本当にたくさん素晴らしい学校がありますが、とりあえず英語を使っている授業しているインターナショナルスクールを選んでみました。
この3つです。
Tara Pattana International School Pattaya
International School of Chonburi
Regents International School
百聞は一見に如かず、皆さんももし興味があったら実際見学してみてください。見学して本当にいい経験を得ました。
ここで皆さんにインターナショナルスクールを紹介したい訳ではないので、話を戻しますと、旅をすることで「自分を見つける」とは言いますが、ほんとに一理あると思います。ただ、それは目的を持った旅の方が見つけやすいと感じました。
今回の旅の目的は「石を買う」「学校を見学する」の2つです。旅の間、なぜこの商売をしているかを客観的に自分に問いかけてみました。妻の影響はもちろんあるが、ただ、それはきっかけに過ぎません。本当に好きじゃなかったら続けてこれなかったと思います。
石を売るよりも、買うのが好きですとよくお客様に言いますが、もう一つあることに気づきました。それは買い付けの旅を通して、石を売っている人々のこと、その国のこと、商品としての宝石の裏に隠れている物語を、誰かに伝えることも好きだなと改めて感じました。
話に興味を持ってくれる嬉しさと、石の周辺のものを知れば知るほど自らの成長をも感じられるからです。
ちょっと話はそれます。
私の父は中華料理人ですが、30年以上毎日同じような料理を作ってきました。毎日食材と向き合っていたと思います。今になって、私は1つ気づいたのです。季節が巡り、食材は微妙に姿を変える。その変化に、シェフは瞬時に気づく。包丁の振る舞い、煮込む時間、調味の微調整・・・
つまり、同じ料理を同じように作ってない訳です。
これに関連して、宝石の買い付けは同じ場所、同じ人、同じような宝石を買っているように思われるかもしれないが、実は全く違う。毎回見る宝石は違うし、天気も違うし、自分のコンディションも違うし、自分のトキメク基準も違う・・・・全てが異なる。
料理人が食材と向き合い、その変化を味わいながら調理するように、私も宝石と対峙し、その美しさと物語性を感じながらセレクトしています。全てが異なる、新たなる舞台で繰り広げられる買い付けの旅は、心を満たす輝かしい宝石の世界を見出す冒険なのです。まさに、料理人の感性を持つ冒険家の心象風景の一端と言えるでしょう。
昔は毎日同じ仕事をして、絶対飽きると思ったが、月日が重なって、違う見方も現れてきた。それは繰り返すことによって感覚が研ぎ澄まされて、ある境地にたどり着けることはとても面白いなと
そう感じたのは今回の旅でした!
それも本を読んでいる時に(笑)
買い付けの旅はいろんな発見があって本当に面白いですね。
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