第二十五話「お地蔵さん」
地蔵菩薩
皆さんも良く知っているお地蔵様のこと。
実はあのお地蔵様は、千手観音や弥勒菩薩などと同じ菩薩の仲間なのです。
お釈迦さまの入滅後、56億7000万年後に弥勒菩薩が出現するまでの間、
現世に仏が不在となってしまいます。
ですからその間、六道を輪廻する人々を救うのが地蔵菩薩の役目です。
六道というのは、前に六観音の時に説明しましたが
(地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人界・天界)のことです。
六体のお地蔵さんが並んでいる六地蔵って言うのを見たことがあると思います。
これは六道のそれぞれを6種のお地蔵様が救うと意味で作られています。
他にも地蔵菩薩のエピソードとして有名なものといえばこんなのもあります。
幼い子供が親より先に世を去ると、親を悲しませ親孝行の功徳も積んでいないことから、
三途の川を渡れず賽の河原で鬼のいじめに遭いながら石の塔作りを
永遠に続けなければならないとされています。
地蔵菩薩はそんな賽の河原に率先して足を運んでは鬼から子供達を守ってやり、
仏法や経文を聞かせて徳を与え、成仏への道を開いてくれます。
とエピソードには事欠かないお地蔵様ですが、ほとんどが弱い立場の人々を最優先で救済してくれるというものです。これが人気の秘密なのかもしれないですね。
かわったものでは他には閻魔大王と同一の存在であるという説があります。閻魔大王は地蔵菩薩として人々の様子を事細かに見ているため、綿密に死者を裁くことが出来るんだそうです。
道端でよく見るお地蔵さん、実はすごい方だったんですね
つづく
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