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ウォーレン・バフェットが教える「能力の輪」の話

ウォーレン・バフェットは、卓越した投資手法から「オマハの賢人」「投資の神様」とも呼ばれる、アメリカの著名投資家です。

そのバフェットが人生モットーとして「自分の『能力の輪』を知り、その中にとどまること。輪の大きさはさほど大事じゃない。大事なのは、輪の境界がどこにあるかをしっかり見きわめることだ」と語っていたそうです。

この『能力の輪』の話は、書籍「Think clearly」に書いてありました。

古代の伝統的なモデルから最新の心理学研究の結果、ストア派をはじめとする哲学や、バリュー投資家の思考まで、膨大な研究結果をひもときながら、「よい人生」を送るための52の思考法について書いてあるのですが、その中の1つの話です。

能力の輪とは何か

人間は、自分の「能力の輪」の内側にあるのはとてもよく理解できる。だが、「輪の外側」にあるものは理解できない、あるいは理解できたとしてもほんの一部だ。

Think clearly 16 自分の向き不向きの境目をはっきりさせよう

バフェットのビジネスパートナーであるチャーリー・マンガーは、こう補足をしています。

「自分に向いている何かを見つけることだ。自分の『能力の輪』の外側でキャリアを築こうとしてもうまくいかない。請け合ってもいい」

人には、他の人よりも抜きん出た能力を持つ分野があると言われています。自分の『能力の輪』に常にピントを合わせていれば、金銭的な成果だけではなく、感情的な成果を得ることができるし、時間も節約できます。

ゲイツもジョブズもバフェットも『能力の輪』にピントを合わせていた

若い頃のビル・ゲイツは、プログラムを組むことに執着していた。スティーブ・ジョブズはカリグラフィーとデザインに。ウォーレン・バフェットは12歳のとき、初めてもらったおこづかいで株を買い、それ以降ずっと投資中毒になっている。

Think clearly 16 自分の向き不向きの境目をはっきりさせよう

そこには、ポジティブな意味での「執着」があるようです。寝食を忘れて続けてしまう、お金を払ってでもやりたいと思える、人それぞれにそういう領域があるのだと思います。

彼らは、それらに執着して何千時間も費やしたからこそ、その分野のエキスパートになれたのだ。執着とは、エンジンが故障した状態を指すのではない。執着そのものがエンジンなのだ。ちなみに、「執着」の対義語は「嫌悪」ではなく「興味」である。何かに対する感想を求められたときに、「それは興味深いですね」と返すのは「私は大してそれに興味がない」と遠まわしに言いたいときの常套句だ。

Think clearly 16 自分の向き不向きの境目をはっきりさせよう

対義語として「興味」と書かれています。「興味ありますと言う」のではなく、「気がついたら没頭してしまう」ができる領域が『能力の輪』なのだと思います。

『能力の輪』が成功につながるのはなぜなのか?

平均的なプログラマー(能力の輪の外側)と比較したときのすばらしいプログラマー(能力の輪の内側)の優秀さの度合いは、2倍や3倍や10倍どころではないからだ。何か問題が起きたとき、すばらしいプログラマーは平均的なプログラマーが必要とする1000分の1の時間でその問題を処理してしまう。

Think clearly 16 自分の向き不向きの境目をはっきりさせよう

ITエンジニアがわかりやすい例としてあげられています。たしかに、天才プログラマーと呼ばれる人たちは平均的な人が出せる成果の10倍どころではありません。他にも、弁護士にも、外科医にも、デザイナーにも、研究者にも、セールスマンにも当てはまると書かれています。

自分の『能力の輪』を意識しながらキャリアを築くことは、いい人生を送るためのコツのひとつです。

もしかすると、まだ気がついていない人が多いかもしれません。ポジティブな意味での「執着」していること、できることを考えるとすぐに見つかる人もいるでしょう。よく考えてみてもわからない人は、心理的盲点の中にある可能性があります。

心理的盲点を見つけるコーチング手法について記事を書いたことがありますので、興味があれば読んでみてください。


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