東京マラソン単体で記事を作りたくなったので、海外注目選手などを挙げてみました
はじめに
先日の記事への高評価ありがとうございます。これに飽き足らずまだまだ精進していきます。
さて、その先日の記事を執筆し大阪マラソンを(33km過ぎから)リアタイしていたら東京マラソン単体の展望記事といいますか、予想とまではいきませんがメモがてら少し書いていきます。
海外招待選手について
2024年大会は、全部で18名の海外招待選手が出場を予定しています。何人か抜粋しながら紹介します。
エリウド・キプチョゲKIPCHOGE, Eliud
元・世界記録保持者として、長い間第一線で活躍するフルマラソン、いや陸上競技界のリビングレジェンド的存在です。オリンピック2連覇(リオ2016、東京2020)、Berlin/London/Chicago/東京と4つのワールドマラソンメジャーズ大会を制しています。また、非公式ながら2時間の壁を切った選手でもあります。
去年はBostonでまさかのキャリアワーストタイム、Berlinでも勝ちはしたものの世界記録に及ばず、さすがに陰りを隠し切れないのかと心配になりますが、今大会も優勝候補筆頭なのは間違いなさそうです。
ハイレマリアム・キロスKIROS, Hailemaryam
フルマラソンの経験は3度と少ないながら、初マラソンのParisでいきなり2:04:41(2021年)を記録、10kmロードでも27:59を叩き出すなど伸び盛りの選手です。
昨年は大阪マラソンに出場し、混戦の最中35km以降の7.195kmを20:45で駆け抜けキャリア初優勝を果たしました。27歳と若く、単独で抜け出したら快記録を作ってしまうのではないかと期待させるような選手です
チャル・デソDESO, Chalu
去年の東京を制したのはこの選手です(2:05:22、去年はデソ・ゲルミサで登録)。H.キロスより更に若い26歳ながらマラソン経験豊富、2:06:00以内のタイムをValenciaの4回を含め通算6回も記録しています。混戦模様になれば大崩れしないデソが優位に立つかもしれません
シファン・ハッサンHASSAN, Sifan
800m1:56.81、1500m3:51.95、5000m14:13.42、10000m29:06.82と、トラック競技全てで世界トップクラスで、なおかつフルマラソン女子歴代2位の2:13:44を持つ現代のトップエリート選手です。初マラソンのLondonでいきなり2:18:33を記録し、非凡な才能を見せつけました。今大会も自己記録更新、あるいは東京で2:11:53の世界記録更新も見据えているかもしれません
ローズマリー・ワンジルWANJIRU, Rosemary
去年の東京を大会記録で制したケニアのアスリートです。かつて日本の実業団スターツにも所属した、青森山田高の卒業生でもあります。フルマラソンの経験は3度と少ないながらも、日本仕込みのロードレースでの才能を発揮しています。第二の故郷・東京でS.ハッサンに喰らい付くような、再びの快走は見られるでしょうか。
ロナー・チェムタイ・サルピーターSALPETER, Lonah Chemtai
2020年の東京マラソン覇者が4年ぶりに東京を走ります。そうはいっても、去年の名古屋ウィメンズでR.チェプンゲティッチと共に出場、東京2021オリンピックにも出場(この時は66位と惨敗)するなど、何度も来日しています。世界選手権はここ2大会で3位、4位、去年のBostonも3位と上位に顔をのぞかせる選手で、今回も優勝候補のひとりと言えそうです
当日の展開を妄想
男子
世界記録保持者E.キプチョゲが優勝候補なのは揺るぎませんが、去年の戦績からすると、一歩間違えれば去年に続いて優勝争いも含めた混戦になりそうな気がしています。先述した東京(2023/3開催)とBerlin(2023/9開催)は最終的に優勝タイムからそう離れない位置で多数の選手が雪崩込みました。特に、Berlinは2:05:00以内が9人誕生するなど、ハイアベレージなレースとなりました。
近年の男子は、このハイアベレージな混戦レースが続いている気がしていて、日本国内でも先日の大阪で2:06:00台が新たに4人誕生しました。高速コースの東京でも例外ではなさそうです。ペースメーカーは
①2:53-54(大会記録ペース≠世界記録)
②2:58(日本記録ペース)
③3:02(2:08:00切りペース)
の3つと予想します。2:05:50切りが出る可能性は20%、日本記録が出る可能性は5%と見ています。俺もやれるんだという、気迫溢れる走りが出来そうな細谷恭平、其田健也、横田俊吾、木村慎、浦野雄平辺りに注目しています。2:06:00切りを見据えた上位争いに最注目です。
女子
世界歴代2位の記録を持つS.ハッサンの参戦で、大会記録の更新に向けてマストな環境が整えられそうです。もしかすると世界記録の更新も狙わせるのではないかと見ておりますが、L.サルピーターやR.ワンジル、ブダペストの世界選手権マラソンを制したA.ベリソもいて、一筋縄では行かなさそうな気配がします。
正しいかどうか分かりませんが、東京マラソン女子史上最もハイレベルなレースになる可能性は80%以上だと言えます。世界記録を見据えたレースになると、日本勢はペース配分が難しくなるかもしれません。それでも、あっと驚くサプライズに期待しましょう。ペースメーカーの予想は難しいですが
①3:12(5km16:00ペース)
※下手すると3:10辺りの設定も可能性あり
②3:17(日本記録ペース)
③3:22(2:22:00弱ペース)
の3つと予想します。日本勢ではやはり新谷仁美でしょうか。東京とは好相性で、初マラソン初優勝もコースは異なりますが東京で達成しています。思い出の地で、調子を整えて日本記録更新となるでしょうか
全体を通して(3月1日追記あり)
去年は10℃前後の曇り空という絶好なコンディションで開催されましたが、今大会は10℃未満で行われそうです。春の日差しや強風に悩まされ、意外と良いコンディションとは行かなさそうな気がします。加えて、世界記録保持者専用のいわば「隠れペースメーカー」の存在があるとすれば、日本勢にとっては思うような配分が出来ず難しいレースになる可能性があります。
(3/1 19:06追記)
3月1日17時時点、明後日の天気は晴れ時々曇り、最高14℃/最低2℃と、どうやら筆者の見立てとは逆に暑い中でのレースとなりそうです。個人的な見解として、環境面でもかなり難しいレースとなる可能性が出てきました。この時期にしてはやや高い気温、春の暖かな日差しがプロランナーの体力を削ぎかねないからです。
去年が最高気温11℃程度の曇り空だったので、去年とは全く違ったレース環境になりそうです。熱い空気を好むアフリカ勢と違い、日本勢は厳しくなりそうですが、先日の大阪マラソンで平林清澄(國學院大學)がアフリカ勢に勝利し優勝したことで「俺もやれるんだ」という、チャレンジングで自ら鼓舞する心境で臨むのが最適なのかもしれません
MGCファイナルチャレンジ突破(男子2:05:50/女子2:18:58)に向けて、相手だけではなく自分やレース環境との闘いに多数が勝利する事を願って、今回は締めたいと思います。ありがとうございました