Take Me Out to The... 第10週

 透がその違和感の正体に気付くまで、しばらく時間がかかった。

「そうか……今日はいつもと降りる時間が違うんだ」

 いつもならば、この場所に立っているのはもっと早い朝の時間帯だ。この平日の、日が沈み始めた頃にここに立っていると、何故だか後ろ暗い気持ちになる。だが、透は今日もきっちりといつもの時間に講義に出席していた。その後一時帰宅し、またこうして舞い戻ってきたのだ。わざわざそうした理由は何か。

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