レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.39
【ブログの過去記事】
[47枚目]●レ・ジェント『レ・ジェント』<リプリーズ>(91)
※本文を書くに当たり、松尾潔さんのライナーノーツを大いに参考にさせて頂きました。
ニュー・ジャック・スウィングのような大きな潮流は、流れに乗ったミュージシャンの持ち味を見えにくくする場合がある。
棚から取り出した時、レ・ジットにこんなアルバムあったかなぁと勘違いした。どんなグループだったか全く思い出せなかったのだ。プロデュースはティミー・ギャトリング。ガイのオリジナル・メンバーだ。1stアルバムリリース前に脱退したので、ジャケット写真には写っている(彼の代わりにダミオン・ホールが加入)。従って(という言い方が正しいか?)、ニュー・ジャック・スウィング曲が数多く聴ける。
ティミーは、レ・ジットのメンバーとは表記されていないが、歌や演奏にも加担しているし、何より彼が方々に呼びかけ創ったグループなので、実質上リーダーと言えるだろう。
リード・シンガーは、ロン・ウィルソン。ジャッキー・ウィルソンの息子である。“ミスター・エキサイトメント”と称され、サム・クックと並び、ソウル黎明期を支えた偉大なシンガーだ。つい、聴く側は期待してしまう。だがもちろん、土俵の違いが甚だしく、“再来”にはほど遠いものがある。時流を駆けるタイプの曲ばかりなので、ロマンの付け入る隙もない。歌唱力は十分あるが、シンガーとして当たり前のレベルの歌唱力だ。
ティミーもジャッキー・ウィルソンの親族なのでロンとは幼なじみの間柄との事。他のメンバーも、ティミーの弟ラリーや長い付き合いのスコット・ウェザースプーン、更に元レストランのマネージャーで、ティミー来店時にアプローチしてきたエリック・ホワイトと、結束力も良さそう。すば抜けてはいないが実力は十分あるグループだ。ティミーのセンスは良いので、NJS好きにはオススメ出来る。
Need a good woman
FULL ALBUM