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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.53

【ブログの過去記事】


[62枚目]●ブルー・マジック/メイジャー・ハリス/マージー・ジョセフ『ライブ!』<アトランティック/コレクタブルズ>(76/06)


https://diskunion.net/black/ct/detail/54C051222506

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オリジナルは<アトランティック>だが、正確には傘下レーベルの<WMOT>が制作している(LPはWMOT名義)。<WMOT>(We Men Of Talentの略)は、73年フィラデルフィアでアラン・ルーベンスとスティーブ・バーンスタインによって設立。ブルー・マジックの代表作「サイドショウ」を含む1stや、メイジャー・ハリス「ラブ・ウォント(Won't)・レット・ミー・ウェイト」(名作『マイ・ウェイ』所収)などが代表的な作品としてWikipediaには上げられている。他には、バーバラ・メイソン、インパクト、ファット・ラリーズ・バンド、ヘヴン・アンド・アースなどを手掛けて84年まで続いている。尚、スティーブは85年<オムニ>レーベルを立ち上げている。

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ライブが収録されたのは75年。ニュージャージー州チェリー・ヒルにある『ラテン・カジノ』というナイトクラブ。名前からしてゴージャスな場所のようだ。ただ調べてみると残念な事に78年に閉鎖されている。ミックス編集はシグマ・サウンド・スタジオ。プロデュースはノーマン・ハリスとなっている。

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参加歌手全員によるオージェイズの「アイ・ラブ・ミュージック」でスタート。続いてマージー・ジョセフが3曲披露。日本のハイ・ファイ・セットでも有名な「フィーリングス」、ポール・マッカートニー作品の「マイ・ラブ」、そして「ライディン・ハイ」。後2曲は74年のアルバム『スウィート・サレンダー』に収録されている。"ミシシッピのアレサ"と呼ばれる(本人的には嫌じゃないかと思うが)実力十分なマージーだが、選曲のせいもあり、ソウル・フィーリングを感じにくい。また、アルバム全体に言える事だが、オーケストラが迫力あり過ぎて、歌を堪能する寄り添い方ではないなとちょっと思う。


しかし、マージーがメイジャー・ハリスを呼び、「ユア・スペシャル・パート・オブ・ミー」(ダイアナ・ロス&マーヴィン・ゲイ)をデュエットすると、途端にソウル濃度が増す。ライブの1年前に『マイ・ウェイ』を発表しているメイジャー、会場の反応も良い。ナイトクラブというと、整然とした拍手のイメージだが、時折歓声や指笛も聞かれ、ある程度の盛り上がりも感じ取れる。1曲目はライブと同年にシングル発売された(76年『ジェラシー』所収)「アイ・ガット・オーバー・ラブ」。続く2曲は『マイ・ウェイ』に入っている「ラヴィング・ユー・イズ・メロウ」「ラヴ・ウォント・レット・ミー・ウエイト」である。マージーとのデュエットの後にメイジャーを盛り立てている女性シンガーは、ヴァレリー・ブラウンとウィラ・ピータース。ヴァレリーはおそらく、フィラデルフィアのファンク系グループ、ピープルズ・チョイスのメンバー。但し、71~73年の在籍だそうで、彼らのアルバムデビューは75年からのようなので、音盤に声を残しているのは本盤だけかも知れない。ウィラ・ピータースもdiscogsで調べても本盤しか出てこない。


本ライブに於けるメイン・アクトはブルー・マジックで、ディスク1の終盤からディスク2丸々彼らのパフォーマンスとなる。メドレーで終わり、メドレーで始まっている。ディスク1は乗りの良い曲が並ぶ。重なる声から突き抜ける、テッド・ミルズのファルセットが特に素晴らしい。「豪快なファルセット」という表現を許してもらえるなら、正にここでのテッドだ。一方ディスク2でのメドレーは、バラード系で攻めてくる。75年時点で3作出しているブルー・マジックだが本ライブ曲は、1stと3rdからセレクトされている。メドレー以外の曲も含めて自分たち以外の作品は、最初のメドレー内の「ユア・マイ・ファースト、マイ・ラスト、マイ・エブリシング」がバリー・ホワイト作品。次のメドレー内の「トライ・トゥー・リメンバー」がトム・ジョーンズらの作曲でブラザーズ・フォーやキングストン・トリオが取り上げている。他、6曲目の「バッド・ラック」がマクファーデン&ホワイトヘッド作のハロルド・メルヴィン&ブルーノーツの曲。マージー・ジョセフとのコラボで取り上げている「アイム・ゴナ・メイク・ユー・ラブ・ミー」はマデリーン・ベルの<フィリップス>作品のようだ。ラストの「ファニー・ガイ、ファニー・ガール、ファニー・ラブ」は調べきれなかった。この最後の2曲は、歓声も拍手も聞こえず、どうも不思議だが、ドラミングの感じは一致していると思う。マージーとのコラボで言えば、5曲目の「ホワッツ・カム・オーヴァー・ミー」が特に素晴らしい。マージーに被るテッドのファルセットは、絶品中の絶品である。各曲、快適に飛ばすブルー・マジックだが、やはり「サイド・ショウ」の始まりと終わりは特に熱狂的だ。演奏的にどうのこうのという事も書いたが、結局フィリー・ソウルの粋が味わえるアルバムではある。


Margie Joseph My Love
https://www.youtube.com/watch?v=4rxqXAEb4Xk
Major Harris and Margie Joseph You're a Special Part of Me
https://www.youtube.com/watch?v=AWYibjxh1BU
Major Harris I Got over Love
https://www.youtube.com/watch?v=Fi8FXGjioAM
Major Harris Love Won't Let Me Wait
https://www.youtube.com/watch?v=ZZ2aMsWxOzA
Blue Magic Medley: Spell / You're My First, My Last, My Everything & We're on the Right Track
https://www.youtube.com/watch?v=W4U5K1SlPBc
Blue Magic Chasing Rainbows
https://www.youtube.com/watch?v=31nwiPcbCDw
Blue Magic Sideshow
https://www.youtube.com/watch?v=eb_CTxbTD2w
Blue Magic and Margie Joseph What's Come over Me
https://www.youtube.com/watch?v=7AZ8lu7vlRA
Blue Magic and Margie Joseph I'm Gonna Make You Love Me
https://www.youtube.com/watch?v=hDIYA2WXnHM

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