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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.20

【ブログの過去記事】

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[27枚目]●ジョニー・ギル『レッツ・ゲット・ザ・ムード・ライト』<モータウン>(96)


まだ表情にあどけなさが残るデビュー・アルバムから13年後のジョニー・ギル。当たり前の話だが、すっかり大人の雰囲気を醸し出している。歌唱力は若い頃から定評があったが、人生経験がプラスされた事で、歌の旨味が増したのではないだろうか。

彼の出世作「マイ・マイ・マイ」の作者ベイビーフェイスのペンに拠るタイトル曲でスタート。自然な温もりが伝わる曲調であり、歌唱である。

③と⑥はジャム&ルイス。時代の寵児である二人が書くバラードはシックである。本盤でも“大人”ジョニー・ギルをよく引き立てている。逆に、豪放ながら暑苦しくないシャウトや、裏声に変わる抜群のタイミング等、他の曲でも発揮されるジョニー・ギル・マナーが、曲自体を引き締めているのも事実である。結構ポピュラー寄りの側面もあるので、彼クラスでなければここまで黒くならないかも。

④⑤はトニー・リッチ。④でも圧倒される。⑤は男女の睦み合いから始まり、途中にもちょいエロ声が入るのだが、何しろ、ダイナミックな歌声に夢中になってしまい、セクシーのセの字も感じない。罪な男である。

⑦辺りから、90'sR&Bならではの色彩が濃くなる感じも。⑧には、ロジャー・トラウトマンが参加。お得意のトーク・ボックスが控えめながら存在感有り。⑨はR・ケリー。彼らしいタメの効いたスロー曲だ。

⑩はアル・B・シュア!⑫ではスティーヴィー・ワンダーをフィーチュア。トーンを合わせた訳ではなかろうが、ジョニー側が抑え気味な気も。⑪はジャーメイン・デュプリ。トロイ・テイラー&チャールズ・ファラーのキャラクターズに拠る⑭は、柔らかく腰に来るリズムとリフレインが印象的。一時は、脳内再生曲になった。

オールド・ソウル・ファンには、前半がシックリ来そうだが、結局、彼の場合歌に身を委ねるのが快感なので、曲調は二の次だろう。

見かけたら買いましょう。

Let's Get The Mood Right


Having Illusions


Take Me (I'm Yours)


It's Your Body ft. Roger Troutman


So Gentle



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