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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.45

【過去の投稿です】


[54枚目]●ボビー・ブランド『メンバーズ・オンリー』<マラコ>(85)

※本文を書くに当たり、高地明さんのライナーを大いに参考にしています。

ブルース界を代表するシンガー、ボビー・ブランドの<マラコ>デビュー作。私が持っているのは、96年に<Pヴァイン>がリイシューしたCDで、オリジナルと同内容だ。どす黒いブルースから、ハートウォーミングなソウルまで存分に味わえる内容となっている。

①「メンバーズ・オンリー」は、何度聴いても心が和む名曲だ。ジャケットに写る、ボビーの屈託のない笑顔を眺めながら聴くと、たしかに心の傷口も塞がりそうである。

②「イン・ザ・ゲットー」は、エルヴィス・プレスリーで有名な曲。エルヴィスの歌唱は、淡々としながらも、深みと安定感を感じるが、ボビーも同様だ。次の曲から、怒涛のブルース攻撃が始まるので、良い感じのワンクッションになっている。

③「アイヴ・ジャスト・ガット・トゥ・ノウ」④「ストレイト・フロム・ザ・ショルダー」(④トミー・テイト作)と、王道ブルースが続く。流石の仕上がりである。⑤「スウィート・ウーマンズ・ラブ」(③と合わせジーター・デイヴィス作)はブルーズンソウル的、⑥「キャン・ウィー・メイク・ラブ・トゥナイト」(フランク・O・ジョンソン作)はソウル色が濃く、③→④→⑤→⑥とだんだん曲が“ほぐれていく”ようにも思えた。

ジョージ・ジャクソン作が2曲。⑦「スウィート・サレンダー」は、ソリッドな乗りにボビーのディープ・ヴォイスが絡み、大人のコクが生み出されている。もう一曲「ハート・オープン・アップ・アゲイン」はラストに配置。「メンバーズ・オンリー」同様に、悲しみを癒すような歌声が漂う。凡百の歌手とひと味違うのは、力みのない力強さに裏打ちされている点だろう。

間に挟まれたリトル・ウィリー・ジョンの「アイ・ニード・ユア・ラブ・ソー・バッド」は、リズム&ブルース感覚が良い味を出している。

<マラコ>の総帥であり、ウルフ・スティーブンソンと共にサウンド・プロデュースも手掛けるトミー・コウチは、本作のコーディネーターとして、ボビーと旧知の間柄であるメルヴィン・ジャクソンを起用した。ある意味「メンバーズ・オンリー」な環境を目指したのかも知れない。ギターには、ジミー・ジョンソン、バッキング・ヴォーカルにジュウェル・バスやジョージ・ソウレの名も。

Members only

In the ghetto

Straight From The Shoulder

Sweet Woman Love

Can We Make Love Tonight

Heart, Open Up Again


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