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窓際のおっさん75 サラリーマンの休暇の自由(後編) 各種休暇の強い「必要性」 末端従業員こそもっと強く訴えよ

 前回は、パワハラで休暇を認めないのは論外にしても、気遣いの好ましさや、会社ごとの都合について従業員として考慮すべき点について述べた。
 今回はやや踏み込んで、特別休暇とその制度の裏の切実さがあり、それを分かろうともしない世代には、一従業員(特に公務員なら)の側から、やり返していく必要があるという話をしたい。

<「気合でどうにもならないから休暇」が分からない旧世代>


 普通の休暇もあるが、更に産休・育休・介護休暇等の取得の推進も、最近では当たり前になってきた。就職氷河期以前の世代であれば、まだまだ専業主婦モデルの家庭も多く、実感が無いかもしれないが、共働きに加え、超高齢化社会の到来によって、否応もなくこれら特別休暇の取得を要する時代になっている。

 また、推進とは「上司あるいは会社が、部下あるいは従業員に対して推進せよ」という意味である。そして、厚生労働省から言われて、推進だというから仕方なく取らせてやっているという感覚がまだまだ旧世代にある。

 前回転載した記事を見てもその感性が垣間見えるだろう。若い人の切実さと、旧世代との価値観の差の大きさが課題と言える。

 自身がその立場になって、否応もなく休まざるを得ない事に気が付き、かつて若手に、説教じみた事を言ってしまって恥じる思いだというのは、どちらかというと、旧世代よりも少し若い、おっさん世代(40代前半ぐらい)の言ではなかろうか。
 これ程にまで就職氷河期前後で意識が異なるのだから、厚生労働省も、休暇そのものについては「必要性」とキャッチコピーを換えて欲しいぐらいである。
 逆に休暇をずらすといった気遣いの話は「常識」などと言って怒るのではなく「推進」で良いレベルだ。こんな僅かな言葉の差でも、価値観の差を理解させるには重要であるとおっさんは思う。

 「気を引き締める意味で厳しい指導を行った」などとドラマや漫画みたいなことを件の警視殿はおっしゃっている。あくまで想像になるが、カミさんに甘えて、自分で飯も作れないジジイと同じ世代である。あんたらこそ定年離婚されないよう、もっと気を引き締めろやとおっさん達は言いたくもなる。
 「気合」だと? そんな不確かなものでは、複雑化する現代の仕事の成果どころか、妻の笑顔、子や親が抱える問題の解決などできやしない。
 ましてファイルを投げたり、大きな声を出すなど、最近の子供以下の幼稚な態度でもある。おっさんならばむしろ、ガツンとその場でやり返して、教訓を教えてやりたいと思うレベルの低さだ。

<休暇は絶対に必要な権利である、これからの世代はどう振舞い、権利を獲得していくべきか>

 結論から言うと、旧世代を変えるには事件化・顕在化させるぐらいしかもはや方法が無いように思う。故に現役世代は、もっと主張すべきでもある。


 その場でやり返して教訓を教えるなどと過激なことをおっさんも言ったが、頭にきて気が触れたぐらいの極端な態度を見せなければジジイ世代は青ざめない。
 正しいかどうかの議論をしても権力と古い価値観で押さえ込んでくる、情に訴えなければ理解できない世代でもあると思うので、もっと怒り、どんどん人事や労基署に行き、不当な要求は無視し続けるべきだ。
 変に我慢したり、わざわざ屁理屈をつけてまで上を立てるようなことをしていたら、若い世代からどんどん見放される。真っ向勝負して欲しい。

 一方で、ある意味それぐらい過激なことをやるのだから、モラル維持の考え方や、現状の労働者を取り巻く環境への理解など、賢さや冷静さも持ち合わせる必要がある。
 それらの裏打ちと自分なりの考え方が無ければ、旧世代の横暴とやっていることは変わらなくなるからだ。

 警察などは公務員であるから、嫌われはすれど、立場はある程度安定して維持できると思う。ゆくゆくは民間企業の職場環境を改善するためにも、まずは公務員の現場から意識改革してお手本とならなければとも思う。
 
尤も、労働環境改善の推進主体である厚生労働省が、本来必要なレベルの話を「推進」「推奨」などと濁しているのだから、かなりの労力と覚悟が必要なことでもあるのだが、それでも、おっさんと一緒に改革を頑張って欲しいなと願うところである。

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