窓際のおっさん86 出世する人の特徴(前編) 昔の人で出世している人
おっさんも今の会社に勤めて15年ほどになるが、周囲を見ていて、出世する人には特徴があると体感するに至る。世代によって条件が全然違うが、逆に世代ごとに一定の法則もあるように思う。
今回は「出世する人の特徴」と題して、あくまでおっさんの私見であるが、昔の出世する人の特徴、今中堅で出世する人の特徴、これから出世する人の特徴(予想)について、述べてみたいと思う。
※個人の感想です。また、主に大組織においての特徴とお考え下さい。
<昔の出世する人の特徴>
世代を絞るとすれば1960年代半ば~1970年代前半の生まれぐらいの人だろうか。
この世代は、実力主義よりも年功序列の意識がかなり残っているように思う。昇進に係るシステムも、年齢や勤続年数による判断が多く、必要な資格や、内部試験制度などの影響は少なく、これら社内基準確立の黎明期には既に中堅であったように思う。
故に、大事な難関必置資格を持っている人が必ずしも評価されるわけではない一方で、判断材料が、年齢を除けば、普段接している人(上司)の評価に、多くを依存していたのではないだろうか。
また、自分で創意工夫するよりも、ルールどおりにやる人間が好まれた傾向もあるため、少なくとも部長級の手前までの出世スピードは、以下の能力評価のウェイトが大きかったように思う。
① 仕事の精度
② 仕事の速度
③ 残業(サービス残業や自主的な残業含む所謂物理的貢献)の量
④ 同じ業務をどれだけ長くこなし、良く知っているかどうか
部長以上となると流石に、穏やかな人柄や人望、それまでのキャリアパス(運も含む)、人間関係上の問題を起こしていないといった要件も入るが、かくも、こんな具合ではなかろうか。
結果として、無難に通常業務をこなす能力だけが重視された基準になっている。
無難な通常業務は結局、判断を年数に依存せざるを得ない部分も多い。加えてこの基準の影響で仕事量の多い部署や、専門性の高い不人気な部署に行くと、2回に1回ぐらいは、事務処理の精度と速度だけで出世したであろう、兵士としては有能だが、指揮官としては無能なクラッシャー上司が居座っているように思う。
新技術や制度を活用したり、工夫して部下を上手に運用したり、人とのつながりを活用して部門横断できるといった貴重な人材は、運が良ければ部長以上、運が悪ければ役無しの課長という、両極端の立ち位置にいるように思う。
その差は現場仕事に当たったか、本社の管理業務に当たったか、そしてそれらとの相性や巡りあわせによりけりに思う。
現場に好かれた人は、一生現場で、定常維持管理や教育などの調整役を仰せつかる。本社に好かれた人は、なんだかんだで人を動かす立場として機会に恵まれ、更なる出世を重ねる。
だから、本来は優劣つけるべきではないのに、本社勤務をして「栄転」、現場勤務をして「左遷」などと、露骨に偏った考えすらあるように思う。
<中堅の出世する人の特徴>
世代を絞るとすれば1970年代後半~1980年代前半の生まれぐらいの人だろうか。丁度おっさんの年代でもある。
この世代では、中堅までは試験や資格、業績に応じて出世が決まる面もいくらかあったと思う。
但し、完全に実力主義かと言うとそうではなく、課長補佐以上のポストとなると、一旦はやはり旧世代の価値観に依存することになる。
それまでの働きぶりや能力、資格等についての考慮は、係長級までで一旦リセットされ、その係長級の中から、旧来どおり、一度も社内で摩擦や問題を起こしていない人、人間的に無難な人、そして年数順に選抜がなされる。
また、この世代で課長級以上(特に管理職として)は、海外など特別な経験を積んだ生え抜きか、外部出身者などかなり稀であると思う。
まとめると、
① 係長級まではあらゆる実務能力と資格などのプラス要因
② 係長級以上はやはり昔同様、精度、速度、残業量(貢献量)、そして年功(勤続年数とその部署における部署の経験年数)
③ 補佐級までがせいぜいで、課長級はほぼいない、かなり特異な経歴になる。
次回に続く