窓際のおっさん10 得体の知れない人達とどう闘うか(前編:我儘な怒り、非を認めない)

 会社にいると色々ある。どうにもならない事ばかりで、禄を食むためだけにひたすら受け流して暮らしている。時には反撃してみたり、動き回って相手を撃ち落とすこともあるけれど、会社全体としては何らプラスがない。それでも一筆積み上げれば、誰かの一遇は照らせるかもしれない。そんな想いで今日も筆を取る。

 何故そうなる?意味が分からない。誰かを見てそう思う事はないだろうか。
人は自分達のモラルと異なる考え方や行動をとる人間に対して、拒絶感を覚える。

 だが、かかる事態に対して、例えば「人それぞれなので悪気はない」「話し合えば分かり合える」などと言った、子供の情操教育レベルの話で考えてしまうと、期待と結果との差に苛まれ、精神的に大きく動揺する。

 また「こうするしかない」「こうあるべきだ」と進退窮まった判断をすると、視野狭窄で問題を見失うばかりか、自己犠牲と破滅に向かってしまう。どちらも危険である。

 今回はそんな得体のしれない人達にどう対処するか、おっさんの経験を交えながら考察したい。

<思い通りにならないと怒る人>


 生きていれば思い通りにならないことがあるのは普通である。しかしその現実を、怒りなどの激しい感情によって無理やり覆そうとする困った人は絶えない。

 例えばおっさんの見た例を言うと、

 ① 後輩をからかったら無視されたので怒った
 ② 自分の発表順を飛ばされたので怒った
 ③ 遅れてきて自分だけ無料配布の試食にありつけなかったので怒った
 ④ 自分で追い詰めておきながら、いざ部下がミスしたら怒った
 ⑤ 同僚のオカマっぽいしゃべり方が気にくわなくて怒った

 これらの例のように、それは自業自得だろう? 或いは、そんなことで怒るか? と思うようなことで、人は急に大声で怒鳴り散らしたりすることがある。

 取るべき手段としては

 ① 秩序を説き教育する
 ② 我慢できるところまで距離を取り妥協する
 ③ 完全に縁を切る

 これぐらいだろう。だがすぐ怒る人とは結局③を取る以外に無いようにも思う。

 ①、②は、子供のころから学校や家庭で刷り込まれた条件反射ではないだろうか。子供の情操教育としては良いかもしれないが、社会はこの矯正を受け付けなかった人達がそのまま大人を名乗って紛れ込んでいる環境である。
 
特にある程度の年齢までいった人だと①は平行線に終わる。②を試みても、相手の方から詰め寄ってくる(だからこそ問題者)。そして改善の見込みはほぼない。大人の社会ではそれが現実である。

 故にこの上は勇気をもって③を実行することをお勧めしたい。
 
 得体の知れない相手とは分かり合おうとしないことだ。
縁を切るなどのアクションを起こせば、上役や周囲が大騒ぎになる(逆に言えばこうならない限り、上も周囲も手を貸してくれない)。だがこうなればこちらは、淡々と状況を述べ、証拠や証人を提示し、十分な勝算を持ってその判断・裁定を待てばよい。

 心配は要らない。一方的に怒るような奴は、良かれ悪しかれ大概は処罰されるか、報いを受けるのが現代のシステムだ。

<非を認めることができない人>


 本当に、非を認めない人というのは数パーセント程度(おっさん体感値)いる。大体クラスに一人ぐらいの割合だ。部下や後輩なら距離を置くなり、正当な理由を並べ、皆で協力して教訓を教えてやればいい。だが、上司の場合は、間違った指示に一方的に従わざるを得ない状況が往々にしてあるので問題である。

 枚挙にいとまがないが、おっさんの経験をいくつか挙げると
 ① 髪を切るなりまとめるなりしてから入るべき危険な工場現場に、腰まで伸ばした長髪の部下をそのままで立ち入らせたことをおっさんが上司に指摘
  → 上司「個人の自由を尊重すべきだ。長髪を批判するのは差別である。君は差別主義者だ。」

 ② おっさんが現場に出した指示の上に、上司が新たな指示を勝手に丸被せし、無理に現場のケツをたたき、半日の工期短縮のために安全管理省略した。予定どおり2日間の工期を慎重に作業すれば良かったのだが、無茶な横槍で結局漏水事故が発生し、騒ぎに。事態の対処を終えたおっさんが呆れて上司に報告がてら、どうするんです?と言うと。
  → 上司「あくまで市民サービス優先だ。工期のゆとりが十分だったなんて話は聞いていない。事故発生は部下や客先の連絡不足だろう。」

 ③ 予算をひっ迫しているので、全く使用していない数百万円の低性能端末の更新案廃止をおっさんが提案。だが予てより、根拠もなく、端末を必要なものとして扱ってきた上司は、おっさんの提案を拒否したばかりか、その場で無理に使用実績を水増ししようとした。更に。。。
  → 利用率を毎月報告せよと話を逸らした上で、とっくに知れているその利用率を「先ずは調べなければ判断できない」と嘯(うそぶ)く。加えて普段の利用率を上げるための努力をせよなどと、無意味な研修会や周知活動を指示してきた。

 
 このように、非を認めない人と争うと悪者にされたり、余計な手間隙を押し付けられてしまうのも困り物である。これだから問題者は周囲に放置されがちなのであるが、我慢しても事態は一生良くならないとおっさんは思う。
 次回はこうした非を認められない人の手口のパターンをまとめ、おっさんが対処してきた体験をお話しする。また、この問題についておっさんの想いも語りたい。

次回に続く


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