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彷徨うおっさん146 男のプライドという嘘理論(3/5) 「女は共感の生き物」とセットで使われる臭さ
前回までは、女性が、男をしばしば「プライドが高くて面倒くさい生き物」と感じている背景について、一つのアンケート結果を見て考察した。
そして、何やら大人として未熟な部分を指して「男のプライドの高さ」と言っているようであること、また結局、女性だって同じで、男女差以上に個人差の方がずっと大きいことを述べた。
また、きちんと積み重ねた人にとってのプライドは、脆くて面倒くさい内面の話だけを指しているのではなく、ぼんやりとした意味で、男女関係に結びつけて語られることに違和感や疑問が残る点も述べた。。
今回は、それらを踏まえ、現状なぜこうも「男はプライドの生き物」と、ややもすると単純解釈されるのか、考察したい。
<男女でよく言われる、プライドも共感も実は表裏一体>
繰り返すが、男と女は違う生き物であるが、俯瞰すると大して変わらない部分も多い。
以前から本noteでも散々批判してきた「女は共感の生き物」という考え方も「男はプライドの生き物」とセットで使われている。これも大いに怪しいもので、とにかく男女を雑に定義して、カテゴライズして、分かったようになりたい。雑な定義でも拠り所にして相手を攻撃したい、或いは自分自身(特に女性)が優位な立場に立ちたい。そのような目的で、煽り広められているように思う。
小さい子を見ると、男の子だって女の子だって、馬鹿にされると泣いたり怒ったりするのは同じではないだろうか。怒るのは、共感しているからこそで、馬鹿にされたと理解しプライドが傷ついていることが分かる。
どちらの心の機能も、人は十分持っているからこそ、激しく反応して動揺するのである。
もう一歩踏み込んで、自分だけではなく、親しい人が馬鹿にされたとしよう。女の子は共感して一緒に怒るか?男の子は共感しないのか?そんなことはないだろう。むしろ女の子の方が怖がって見て見ぬふり、男の子の方が友達のために食ってかかる場面だってある(逆も当然あるけど)。あくまで個人の性質によって、状況が決まるのであって、男女で特化した性質や、著しい傾向があるかのような考えは、暴論でしかない。
<男女別の性質がカテゴライズされる背景>
ここまで理屈で分かっているのに、未だに我が国で「男はプライド」「女は共感」といったカテゴライズが根強い人気を持っているのには、本質的にいくつかの社会的要因が絡んでいると思う。
おっさんが出会ったエピソードを列挙し、考察してみたい。
① 働かなくてもいいと考える女性の存在
② 異様にプライドの高い一部の中高年男性
③ そこに反発してきた不機嫌な中高年女性
④ 古い価値観のままでの思想の衝突と権力争い
一つづつ詳述していきたい。
① 働かなくてもいいと考える女性達の存在
割と日本固有の現象といわれるが、令和でも未だに、専業主婦を立派な職業と看做す風潮が残っている。
多くの男性や、社会で働き続ける女性と感覚が異なるが、現に専業主婦となって久しい人や、これから専業主婦になろうとしている女性達にとっては、「専業主婦は立派な職業」という考えは非常に都合が良い。
だがこれが、旦那(男)への不理解につながっているように思う。おっさんの体験を話す。
仕事でうまく行かないことをぼやいた時、元彼女や、半同棲状態にあった女性から、以下のことを言われたことがある。
「そんな会社辞めちゃえば?」
「あなたがしっかりしないから」
「そんな人やっつけちゃえ」
これはおっさん以外の男性(おっさんの友人など)も言われたことがある言葉だ。本来は言うまでもないのだが、軽々しい意見である。そのように無責任に言われると男性はイラつく。
ここに更に、女性から男性に発破をかけるような言葉や態度、仕事ぶりや人間性に対する手厳しい言い方が入ると「お前に何が分かる」という言葉を言わざるを得ないところである。
そして男性は一人にしてくれと引きこもり、距離を取られた女性はこの時こう考える。
「言葉で男のプライドを傷つけてしまった」
「やっぱり男はプライドの生き物なんだ」
完全に間違いとは言わないが、本質はもっと複雑で、プライドどころではない問題を抱えていることの方が多いのだが。。。例えば、
① 頑張っているのに働きづらい一方で困っている
② 理不尽な要求や評価で困っている
③ でも生活がある(妻や子のことも含めて)ので簡単には辞められない
女性を信頼して事情を語ったにせよ、問題が大きくてつい本音が漏れたにせよ、話が通じないし協力的ではないパートナーに、プライドが傷つく以前にうんざり来る。
加えて女性が「男はプライドが高いから面倒くさい」などと考えているものだから、そこからまた余計に気を遣う羽目にもなる。その場から立ち去りたくなる(というかそれが最善になる)のも分かる話だ。
おっさんが思うに、仕事で疲れたおっさん達は、家ではそれこそ「共感」してねぎらって欲しいのだ。
共感以前に、仕事の問題が家庭に及ぶ可能性、そしてその事情を受け止めて欲しい(一緒に考えて欲しい)気持ちはままある。
それを「プライドが高くて面倒くさい」などと言うのだから、話が通じなさすぎる。一緒に家庭運営するパートナーのはずなのに。。。
また、対の言葉として「女は共感の生き物」と、一般的にはされてしまっているので、共感を求めるような男の態度を、女が「女々しい男」と捉えてしまっている側面もあると思う。
弱音を吐いている。あーなんてだらしない男なのだろう。もっとしっかりして欲しい。。。と。
だから、見当違いの「男のプライド問題」として扱いたがるのではないだろうか。プライドの意味も分からないまま。
説明が長くなったが、このように、現在は働かなくていいと考えている女性が一定数以上いて、彼女らの人生経験の少なさや専業主婦的思想から、男の仕事や生き方への想いに応えられない状況のように思う。
そして「男は~」「女は~」と、彼女らが雑なカテゴライズを発信しつつづけているせいで、世の中全体の認識がズレていっているようにも思う。
次回に続く