見出し画像

読了のおっさん38 MASTERキートン

今日も、おっさんが全巻読んで面白かった漫画をご紹介です。
個人の感想であり、感じ方はそれぞれなれどご参考に。

概要的なネタバレは含みます。

MASTERキートン(浦沢直樹(作画)浦沢直樹・勝鹿北西・長崎尚志(原作)/ビッグコミックオリジナル)
1988年~1994年 全18巻(完結)

■ タイプやテーマなど
 考古学、現代、歴史、戦争、軍隊、保険調査員、
探偵、大学講師、マスター、冒険、サバイバル、英国

■ 簡単な内容
 元軍人(英国SAS出身の教官)であり、考古学者であり、ロイズの調査員でもある日英のハーフ、平賀キートン太一が主人公。
 英国と日本を中心に、太一が世界の国々に様々な用向きで赴いては、時には保険の調査員として、時には元軍人のキャリアを生かした探偵として、そして考古学者としての立場で活躍する。
 日本では冴えない大学講師として仕事をしているが、日本人の父親で、動物学者の太平や、別れた妻との間に生まれた高校生の娘の百合子らとの深い関係からも物語が展開する。そんな夢と現実を生きる姿を描いた現代の人間ドラマ。

■ 読みどころ
 主人公である太一が、自身のスキルや知識を活かして窮地を乗り越えたり、謎解きをするストーリー一話一話の展開が見どころである。
 また、現代よりも少し古いテクノロジーや社会情勢、人物の有様なども現在大人である世代には懐かしく、親しみやすい。
 1990年代の世界の雰囲気が非常に忠実に描かれており、一世代前の社会情勢や価値観なども垣間見える。

■ 雑多な感想
 最初の印象としてはパイナップルARMYの続編と言ったところである。時代も丁度その直後ぐらいである。無論、作画は同じでも物語自体の関連はないのだが、作品の方向性はとてもよく似ているので、パイナップルARMYが面白ければMASTERキートンも楽しめると思う。
 ストーリーは大人向けで、教養としても最適である。歴史、社会、政治、テクノロジーとあらゆる面が網羅されており、人間ドラマでもあるので、人間性も学べると思う。また、安定の浦沢直樹先生の作画で、絵の面でもストレスなく読むことができる。

■ その他
 おっさんは高校生の頃、繰り返し読み、アニメ(OVA含む)も全部見ているという、それほど読まなかった時期なのに案外ハマったという名作の一つ。
 
アニメになると、戦闘シーンの描写や、英国の街並みなどが、かなり現実味を帯て伝わってくるように感じた。紅葉の街並み、街頭清掃車、スコットランドヤード、金融街、中国人街など。。。日本だけに居ると、なかなか見ることができないヨーロピアンレトロな景色を疑似体験できるようにも思う。お勧めである。

 また、連載終了後の1995年に、勝鹿北星(原作) / 浦沢直樹(作画)にて、キートン動物記。
 2012年に、長崎尚志(原作) / 浦沢直樹(作画)にて、MASTERキートン Reマスターが出ている。
 前者は、終了後のおまけのような立ち位置で、動物学者である太一の父、太平がやや前面に出た、動物のウンチク系漫画。後者は、本編終了後の20年後という設定で、娘の百合子は結婚して家庭を持ち、太一もまた老けた姿で研究を続けているという設定。
 いずれも本編を楽しめたなら、おかわりストーリーとして十分楽しめる。

いいなと思ったら応援しよう!