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彷徨うおっさん119 あだ名禁止にして良かったか?(前編) あだ名も礼儀であるが子供には難しいのだろうか?
前回、礼儀の発揮について執筆している最中に、何年か前に学校であだ名呼びを廃止しようという動きがあったことを思い出した。
礼儀の発揮については私見になるが「①形式としての礼儀を熟知する」「② 意志・意識を身に着ける」「③の礼儀とは何かを伝える」
の3段階があるのではと述べた(あくまでおっさんの自論)。
あだ名についても全く同じであると思ったところである。
今回は「あだ名禁止にして良かったか?」と題して、おっさんの私見を述べたい。
<あだ名禁止の校則がクローズアップされたのは2020年代初頭>
もっと前から言われていたところもあるだろうが、一先ずはNHKで2020年10月にあだ名呼び禁止の校則についてニュースになっている。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/lifechat/post_182.html
まだまだこの校則で育った人が大人(社会人)に至っている例は少ないと思うが、それでも、大人になってから違和感や、物足りなさを感じる可能性もある。もちろん、これで良かったという意見もあるだろうし、答えが一つになる話でもないのだが、かくも、影響は未知数の段階ではないだろうか。
<あだ名で呼ぶのはリスク?>
あだ名は悪口になってしまうリスクがあるという。
おっさんはもうかなりいい歳だが、同世代にも年下に対しても、時々あだ名を用いることがある。親しさの表れでもあるし、お互い嬉しければそれ自体とても良いことだと思っている。
相手が嫌がった時は二度と呼ばないことにしているが、一度浸透すると、おっさんが呼ばなくても別の人から再度呼ばれることもあり、そこはコントロールが効かない面はあるなと思う事はあるが、通常、よほど変なあだ名は大人ならばつけた方が逆に恥になるし、そうでない範囲なら広まってもどうという事はない。
要は大人時代におけるあだ名など取るに足らないことになるとおっさんは思う。
なにせおっさん自身も、いい歳になって急に高い声で「コンコーン」と呼ばれることが最近になってもあったぐらいだ。
本人の態度を見るに、おっさん割と見下されているなとしか思えないが、見下されて上等な人間なので好きに呼ばせている。
他にも「兄さん」や「コン兄」など、色々なあだ名で呼ばれるが、そもそもコンゾーさんなどいろいろな名前を自らも名乗っているので、今更どう呼ばれようが別にどうでもいい。もう良いおっさんなのだ
嫌だなと思ったのは、ナスビとか、タラコクチビルとか、鬼の子君とかそんな名前だった。
全て容姿に掛かるネーミングであった。また、全部子供時代に呼ばれたあだ名であり、当時は周囲(先生も含めて)のレベルが低かったというのもある。
流石に大人になってまでそんな呼ばれ方はされなくなったが、今呼ばれたって別に構わないレベルだ。
ちなみに、クズとか、無能とか、給料泥棒などとも呼ばれるが、まあそれは別の話だろう。
<あだ名の取扱いは礼儀と密接である、よって子供には。。。>
大人ならば大人の距離感がある。あだ名が良くないとされるのは子供が未熟だからであり、礼儀が未発達なまま、面白がって(或いは感情むき出しに)あだ名を使うから好ましくないのだと思う。
特に小学生ぐらいの子供の場合「①形式としての礼儀を熟知する」ことがそもそもできていない。
そんな成長段階において、このあだ名はOK、このあだ名はNGと教えるのは、細かくて難易度が高いのかもしれない。
また、大人によって見解が違っても良いことなのだが、その違いも子供は矛盾と捉えるだろう。
A先生は大丈夫と言っていたが、B先生は違うと言って怒る。父ちゃんは笑ってたけど、ママはカンカンだった。
こういう複雑性や矛盾を理解するのは子供には難しい可能性がある。
ならば一先ずあだ名をNGとするのが案外妥当だと判断されてもやむなしかもしれない。
勿論、このあだ名はOKで、このあだ名はNGである。人によって見解も異なるから、答えは自分で探すしかない。こういった概念を理解できる子も中にはいるだろう。
だが義務教育のレベルの子供達の発達段階のばらつきと、相手をする先生達(近年は忙しいの代名詞)の負担を考えると、ここらが限界という説もあるだろう。
そして形式がおぼつかないのであれば「② 意志・意識を身に着ける」という段階に至る前に、ナイフのような切れ味のあだ名を相手に投げつけ、周囲も面白がって同調して手が付かなくなるという状況も考えられる。
子供のやる事とはいえ、残酷ではある。
加えて当然、大人の段階である「③の礼儀とは何かを伝える」まで至る子は、今の10代では少数派であると思うので、児童・生徒同士での自浄作用や、あるべき意思疎通の構築に期待するのは難しく、マイルドで管理しやすい「あだ名全面禁止」というレギュレーションになってくるのだろう。
次回に続く