窓際のおっさん57 公務員に必要な能力の 本音と建前(1/4)
公務員の人気が落ちている。
収入も安定していて、近年は意見が割れるものの、仕事も比較的楽であると言われている。原因は様々だと思うが、おっさんが思うに、やりがいやキャリアの柔軟性が悪いことは恐らく確かであり、
総じて魅力が低いものになったのは確かだと思う。
やりがいやキャリアという側面から、考えた場合、公務員に能力として何が求めらるのか。また、実際に就業する場合、それらの発揮はどうなのかについて知っておくと参考になると思う。
今回は、公務員に必要な能力の本音とん建前と題して、公務員経験のある40代のおっさんが、公務員のキャリアについて述べたいと思う。
※先に述べるが、これは試験に受かるためのテクニックにならないどころか、面接や論文で堂々と語ると危険人物扱いされる可能性もあるので、本気で合格をしたいと考える学生は参考程度にお考えいただきたい。経験者採用枠だったら、多少は自分なりの答え+エッセンス程度には良いと思うけど。
<求められている能力について>
これから公務員になろうとしている人はなんとなく把握していると思うが、官公庁の公式ホームページや、公務員試験予備校の紹介ページなどに、公務員に求められる何某の記載がある。
試験に受かって就職するためであれば、当然ここに記された能力を取得し、同時に面接や論文等の中でアピールをしていくことが必須となるわけだが、実際に就職が決まった場合、肩透かしを食らう事が多いのではないかと思う。
参考までに、有名予備校であるTACさんのHP情報を抜粋してみたい。
https://www.tac-school.co.jp/kouza_sogo_komuin/about_Civil_servants/suitableness.html
(※TACさんごめんなさい、実務と違うよと言う否定ではなくて、合格に必要なことで言えば全部あっていると思います。おっさんもTACユーザーで、資格試験では講座にテキストに色々お世話になってます。)
どれも実務上、大きく間違ってはいないのだが、詳述について、就業経験者からはツッコミどころがある。一つづつ見てみたいと思う。
いきなり踏み込みが足りていない。無論書きづらいことを書くわけにもいかないという事情もあるだろうが。。。
現実的なところ、住民の理解を得るための説明といっても、スマートで論理的な説明ではかえって反感を買うことが多い。専門的なことは分からない、何となく不安、損得の問題ではない、気持ちが追い付かない。。。それが多くの住民の実際の在り様である。それをどうするかが必要とされるコミュニケーション能力の鍵となる。
その辺りの事情を踏まえてなら、コミュ力大事だよねで合っているのだが、記載のあるような「わかりやすい説明」という言い方をまっすぐに捉えただけでは、実務において「こんなはずでは」と感じることになると思う。
では実務のコミュニケーションとは具体的になんなのか。それは、行政の意向に従ってもらうための交渉力というところになる。
交渉力と聞くとどう思うだろうか?
分かってもらうというよりも、納得してもらう、なんとか従ってもらうという意味合いの方が正確だとニュアンスで分かると思う。
そしてその意味するところは、行政の選択に対して有無を言わせない、そこに存在する誤りや不都合、相手の意向すら時に丸め込むスキルになる。
無論、合意なしで物事を強行したり、脅し文句などを用いた合意形成をすれば多額な損害賠償と立場の喪失は免れないのだが、そこまでいかない程度の、堂々たる態度、または逆に寄り添う姿勢、理屈と心情を交えつつの駆け引きなどが必要になる。一般的なコミュ力とかけ離れた、何ともヤクザな仕事になってくる。
また、こうしたスキルは当然、どの学校も教えてくれない。
習える場所は半分冗談だがヤクザ屋さんだろう。さもなくば要らないものを売りつけるようなアコギな商売かもしれない。
自治体の場合、扱う商品には公共性がある分説得力があるものの、時にとんでもない政治家の意向や、手柄を欲張った無能な上司のレギュレーション次第では、住民を犠牲にしつつ自分を殺し、胃袋にガッツリと穴を開けるような交渉になることだってある。
次回に続く
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