彷徨うおっさん115 ネガティブキャンペーンに見る選挙分析(3/4) 確かな支持を持つ保守
前回は、令和6年7月に実施された都知事選の、当時の候補者に対するネガティブキャンペーンが出そろった頃だろうということで、それらを踏まえながら、おっさんの見解として、1位、2位につづき、3位の蓮舫氏への周囲の批判と、おっさんが思う所を述べた。
今回はその続きとして、4位の田母神氏について、同様に述べたいと思う。
<田母神氏>
① 過激とされる思想
② 公職選挙法違反の過去
日本は侵略国家であったのかという、政府見解とは異なる論文を、自衛隊の幹部の立場で執筆して問題視された人物である。
賛否両論であり、熱烈な支持者も居るが、危険・信用できないと忌避する人も多いように思う。
また、本選挙以前から所謂保守派とされており、古い日本の価値観を肯定する姿勢も見せている。
過去の都知事選では公職選挙法違反となり、一度表舞台から降ろされた人物でもある。その一件も含めて、現大勢とは色々あったことが、テレビメディアではなく、インターネットの動画サイトを中心として語られている。
だが結局は大手メディアや多くの一般有権者の認識としては「危険人物」「常識を知らない脇の甘い人物」などと評価されるに留まっているようだ。
おっさんが思うに、やりたいことや考え方は、他候補と比べてかなりはっきりしているように思う。同時にその考え方について、かなり賛否が割れる人物でもあるように思う。
例えば原発の再稼働について、殆どの人がYesかNoかハッキリ答えづらいところを、公共の電波でハッキリYesと述べ、その理由をスラスラと詳細に述べるような人物である。
良し悪しではなく、これは世情を鑑みて、かなり過激であると見られるのは否めない。
また元自衛官の立場他から、国防の面でしっかりした価値観を持っており、そのために防災体制を確立することを都知事選では述べた。
また、若い世代の、日本人としての誇りの醸成や、人間教育そのものもまた、重視しているように見える。
中身だけ見れば、前任の石原慎太郎都知事と、殆どの面で考え方が一致しているとおっさんは分析する(実際過去に親しい交流があったようだ)。
好きな人は好きなのだと思うが、一方で市民生活がどう変わるのか、その発言から、有権者の多くは結末をあまり想像ができないでいるのかもしれない。尤も、その想いを伝えるのは、世の中の仕組みや思想の変遷を見て、難しいとは思うが。
そして老齢である事や、時代に合わない発言をしばしばすることも問題視されている。
例えば8月5日の記事で(じつはこの記事で出そろったとみて本記事を作成しているのだが)、セ・リーグとパ・リーグがもっと頑張る必要があると、講演の場で冗談交じりに述べた旨が報道された。
これは(セリーグ)セクハラと(パリーグ)パワハラと言う意味の発言である。確かにまあ。。。これは厳しい。
とはいえ本人の元来の思想や、講演・著書などを見る限りでは、本気でセクハラ・パワハラを励行するような人物ではないだろう(実際、田母神氏サイドも発言は事実としつつも、励行などはしていないと述べている)。
むやみやたらと昔の軍隊的なしごきや、昭和のスケベオヤジを肯定しているのではなく、言いたい旨は、現状の行き過ぎたセクハラ・パワハラへの規制的な動きをけん制したいという意図であろうと思う。
これは石丸氏が強めの態度を年配者にたしなめられたり、言動がパワハラ・女性蔑視と批判されている現状にも通じるところがある。
とはいえ、今の世情では受け入れられない「言葉」を多用してしまっている。一旦公職選挙法違反で有罪になっていることも不信感につながっていて、有権者に想いも届きにくい事だろう。
言葉の問題ではない(つまり言葉を厳選した)としても、田母神氏の思想自体が、良し悪しは別に、現代では当選につながるなるほどの賛同を得るのは難しいのではなかろうか。
次回に続く